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スーパーちんどん・さとう

Author:スーパーちんどん・さとう
ちんどん太鼓担当

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専従募集


ま、先日の広島でも、コウヘイが「カープの居酒屋に行きたい」みたいなことを言ってきました。

広島は基本全部自由行動だったので(http://superchingdong.blog70.fc2.com/blog-entry-4493.html)、というのも、そもそも20数名の人がいっぺんに入れる店なんかないし、各々行こうや、みたいなこともありまして。
団体といっても、多すぎるとめんどうが起きるし、正直待つことが多い。
それもなんかもったいないじゃないですか。

そんなこんなで、行きたいところに、仲間を募っていきましょう、ということになってたわけです。


で、この前ちょっといろいろ思い出してみたんだけど、コウヘイが養護学校の高等部を卒業してここに来た時、まあとにかく「なにも言わない」という感じだったことを思いだし。
とりあえずみんなについては行くし、それはそれで楽しそうなんだけど、それだけで、彼が何をしたいか、みたいのはあまり見えなかった。

こっちも、まあ「◯◯行きたい」という連中に付き合うことで精一杯なこともありますから、ほってはおいたんですけど。


そしたら、その最初ついていったプロレスは楽しいわ、野球は楽しいわ、まあ野球はともかくプロレスには行ったことなかったとおもうんですけど学校時代、親とでも。
今や、プロレスに行きたい、と言いだし、そして行くに当たっては、自分の家のコンピューター(コウヘイはパソコンとは言わず、なぜかコンピューターと言う)で調べた対戦カードを書き写してくる。
野球も、「次、神宮で◯◯日にカープ戦があるから行きたい」とか。
これもまあ、コンピューターで調べてくるわけです。

先日は、「オールスターを一緒に見たい」とアキに言ってきたようで、会長の工藤さんちで俺も一緒に見まして。


なんでしょう、毎日一緒にいるから、その変化にあまり気づかないんだけど、振り返って「来たばかりの頃」というのを思い出すと、ずいぶん変わったことに気づかされます。
ま、そんなに振り返ることもないんで、ホントに時々ですけど、そういう変化に気づく。

今日明日じゃ、まあなにも変わらないし、そんなに変化はないけれど、長いスパンで考えると、確かに変わったなあ、と。


多くの作業所で、「朝来た時と同じ状態で親許に返す」というのが標語のようになってるようですが、ウチは「それだけ変わったか」が勝負。

人生、「あれがやりたい」「あそこに行きたい」「これ、やってみたい」というのが出てきてやっと面白いわけじゃないですか。
そして、それが実現するからこそ、逆に言うと、その思いがあふれ出てくるわけです。

そのためには、給料も上げなきゃならない。
だって、金がかかるから。
だから、にじ屋もがんばらなきゃならない、というコトにもつながるわけです。


大概が、来たばかりの時は、市丸も含めて、「行きたい」なんて言い出すことってなかなかないんです。
どっかに連れてってくれる、というのが前提の生き方をしてきているから(http://superchingdong.blog70.fc2.com/blog-entry-4503.html)。
でも、それがそのうち、「俺はあそこに行きたいんだ」というのが出てきて、やっとなんか「自分の人生を面白くするのは自分次第」ということに彼らは気づく。
いや、そう言葉にしては気づいてないと思うけど、でも、そういうことだ。

この「人生を楽しむ」というのは、俺は一つの能力だと思っていて。

そのためには、コウヘイのコンピューターよろしく、なにか情報をまずつかまなきゃならない。
そして、それが「現実になる」という「確信」がそこに加わると、彼らは一気に開花する、


連れて行ってもらう場所が面白い、というのも、それはそれでいいことだ。
だって、よくよく考えたら、それも「楽しむ能力」なんだから。
俺なんかは逆に言えば、ほぼヤツらに付き合ってるとも言える。
だから、時に、「俺に付き合え」ということもある。

でも、それだけだと、人生が受け身でしかなくて、「これは自分の人生だ!」という意識がなかなか育たない。
それは、いろいろなところの意欲が育たない、ということでもある。


あの、まったくなんかワケのわからない、喋らなかったコウヘイが、こうやって「◯◯に行きたい」って言ってくるようになるんだから。

人は必ず変わる。
変わる可能性を持っている。
それは、知的に障害があっても同じだ、ということをコウヘイは教えてくれる。


そして一緒に行った広島のカープの店でも、なんか市丸はホームラン賞が当たって日本酒もらうし、この前のオールスターも、まあウチでテレビ見ても一緒じゃない、とは思ったりするけれど、いやいや、やっぱみんなで見たら楽しかったりして。
まあ、そういう意味では、コウヘイに感謝でもあります。

こうなると、次、逆に俺がなんか面白いところに連れてってやろうかな、という気持ちになったりして、倍々にみんな楽しくなる、ってイメージ。
仲間っていいよな、みたいな。




(BGM:「しねばいいのに」fromYOUTUBE)
→ボカロですか。
すげえよくできてますよ、これ。
というか、しねばいいのに、が、曲としては爽快な合唱曲に仕上がってる。
ま、Aメロの中身はよくあるアレなんで、例えばツブツブの最後が缶の中に残る、とか。
そこ、もっと深刻にしたら面白いのにな。
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行きたい場所!


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専従募集


先日、大日本プロレスの新木場大会に行ってきたわけですけど。

カブキがね、行きたい、言い出して。
ま、いいことだと思うんですけど。

これまで、なんか話をしてたりするときに聞いてないというか、たいがい、大日に行く?行かない?なんて話をしていると、行きたいヤツは「俺も行きたい!」と言い出して、お、お前もか、みたいな感じでアレするんですけど。
時には、紙を貼り出したりもしますけど。

で、そうなると、会議とかで週間スケジュールの確認の時に早退をお願いしなきゃならないから、その時にもまあ「早退します」なんで?「大日があるから」みたいな話が出ます。

幾度かそういう話はカブキの上を飛び回ってはいますが、彼女はそれをまだキャッチできない。
というか、そもそも「どっかには誰かが連れて行ってくれるモノ」だと思ってる。
ま、遠足だ。

自ら行きたいといわなきゃ、そもそもどっかには行けないし、ま、一人でいきゃあいいわけだけど、彼女にはそのスキルはちょっとまだない。

もっというと、自分の時間を制してない。
「次はコッチです。その次はあっちです」という生活に慣れきっているからなのか、自分で自分の時間を作り出そうという気持ちはない。

彼女にしてみたら、みんなは大日に行ったりしてるのに、どうして私は「連れてってくれないの?」という感じなのだろう。
いや、別にあんたを特別に連れて行きたくはないよ(というスタンスは崩さないよ)。


前にも書いたと思うけど、市丸もここに来たばかりの実家通いの時は、「行きたい!」と言うものの、とにかくその後のセリフが「お母さんに聞いてくる」だったので、「そうじゃなくて、お前が行きたいところに行っていいんだ。お母さんには行って来るから遅くなる、と伝えればいいんだ」、ということをずっとまあいってたわけなんだけど。

つまりはまあ、お母さんが、お父さんが、ボランティアの方が、ガイドヘルパー?の人が「連れて行ってくれる」のが通例の状況で、「自分が行きたいかどうか」がよくわかんなくなっちゃってるというか、いや、そうじゃなくて、その「自分が行きたいかどうか」という実は一番大切なことがもう一番後回しになってるのだよね。

市丸はもうコッチで暮らしてるから、その辺はもうどうこうもなく、行きたい時は行くし、興味がないと一気にもう離れていく。

ま、それでいいんだと思うんだけども。


で、まあ、大日に行く行かないって話をメシの時だったかにしてた時、カブキも「私も行く」と言いだし。
あ、やっと言ったな、と言う感じなんですけど。
ま、彼女が行きたいのは知ってたさ。

てなことで、しかし、お金が必要になる。
ま、自分の金が底をついたヤツには貸したりもするけど、まあそもそもカブキの金銭管理はどうなってるのかよくわからない、というか、まあ親任せなんだ。
こっちもなにもしてない。
というか、おそらくカブキにとって「どっかに行きたい」という金が出せない家庭の状況ではないので、今まで、コバのように「家賃がギリギリ」みたいな思いはしたことがなかろうと思われる。

ま、ボランティアさんやヘルパーさんに連れて行ってもらうんでも、そもそも親は「迷惑かけちゃいけない」と思うから、金はちゃんと持たせるしね。
その中で、パフェが食べたい、ステーキが食べたい、それは、「金との相談の末」に出てきた欲求ではない。

簡単に言うと生活能力ゼロ、というか。
知的な認識ではもしかしたら市丸よりずっと高いような気がするが、市丸は生活能力だけは高い。
カブキなど足元にも及ばない。
それはそうだ。
やっぱ、親元から離れて暮らしてるだけはある。

計算ができなくても、字がそこそこ読めなくても、そういう力強さをね、やっぱつけていってほしいと俺は思うんだけど。


で、まあカブキにその前日、というか、前日が休みだったので、前々日の帰りに「チケットが○○円だから、いろいろ含めて□□円持ってきな」と言ってはありました。

でもまあ、正直「持ってこないだろうな」と思ってました。
彼女が持ってくるには、家に帰って、それを覚えていて、なおかつ□□という数字も覚えていて、親にそれを伝えなきゃならない。
けっこう、まあハードルが高い(http://superchingdong.blog70.fc2.com/blog-entry-4365.html)。

でも、持ってこなきゃいけない。
というか、この時は、「もし、金がなければ、入り口で待っててね」という風に言ってありました。


どうしても、明日必要なコト、とかいう場合は、しょうがないので、メモを持たせたりもします。
つまりどういうことかというと、それを親が見るだろう、という目論見ですね。
カブキ自身から発信できなくても、親が「何?お金いるの?」と話を始めてくれれば、まあ「あ、そうそう」となる確率が高い。
というか、まあ親としては持たせるわ。
ま、この辺は連絡帳もないので、ガチです。
親が気づかなければそれも無理でしょう。

蛇足ですが、それは親の責任ではないですからね。
あくまでカブキの責任だし、ま、引けばそこに持っていけなかったコッチサイドの力量不足って話で。
逆に言うと、連絡帳があったら、カブキの責任は一気に後ろに引っ込んで、カブキ自身の生活が「親の責任」になってしまいます。
それはまあ、彼女が「なにもしなくていい」ってことになるので、自分が行きたいという場所のことですら。
だから連絡帳なんてのはイイトコ一つもないと俺は思ってますけど。
施設運営はスムーズにいくでしょうが、その分、彼女たちの尊厳を一気に奪ってしまう。

で、話戻しまして。
なんですが、まあ今回は金がなければないで、まあいいか、ってのもあって。
彼女に言ったように入り口で待たせるわけにはいかないから、まあ出してやることにはなるけど、今回はまあ自分で行くって言ってきたからそこまでかな、みたいなところもあって。


そしたら、まあなんか持ってきて。
朝からそのことをなんか言ってました。
「持ってきたからさ!」みたいな。

なんか、ここのところ低調だったカブキもやっとヒトから人間になってきたか、という感じなんですけど。


でも、なんていうか、こういうのって、例えば今回のように「大日を見に行きたい!」みたいなことがないと、そもそも机の上で、「行きたいところがあった場合は、自分で言って、お金を持ってくるんだぞ」なんて教えたって、実になるわけないンです。
「大日を見たい!」と思うからこそ、彼女はそういうことが「できる」わけでしょ。

それは市丸やコウヘイなんかも同じで。
コウヘイは家でコンピューター(と彼は言う)を見て、大日の対戦カードを全部紙に書き写してきていました。

それもね、字を書け、とか、字の練習しろ、とか、そういうことじゃないじゃん。
なんか対戦カードをみんなに伝えたい!みたいな思いが、知らず知らずのうちになんかいろいろな漢字を書かせてしまう、というか。

コバとかも、まあ家賃との兼ね合いとか、そういうのって、「きちんと家賃はとっておかないと」みたいなことをいくら言ってもしょうがないというか、現実に行きたい大日のチケット代とかがあって、初めて計算を始められる。

そう考えるとね、そもそも「なんかしたい!」「○○に行きたい!」みたいなことがなければ、あんまりヒトって学習しないのかな、と。
それってコバたちだけじゃないよな、みたいな。


彼らに何かをさせよう、何かの力を身につけさせたいと思ったら、まず「行きたい場所」を作ることが先決じゃないかな、と。

オレたちには大日がありますよ。
そして、選手も温かく連中に接してくれるので、とても、なんかありがたいのです。
ま、もちろん他にもいろいろあるけれど、大日はけっこうみんな等しくのってきてくれる。
にじ屋大会なんかもやってくれてるからですけど。


試合のこと書いてませんが、ま、大日ってそういう、なんだろ、家族感というか、仲間にしてくれる感じがあります。
そういうステキな団体なので、ぜひ、みなさんも見に行ったらいいと思うのよ。





(BGM:三波春夫「おまんた囃子」fromYOUTUBE)
→作詞作曲が三波春夫先生なのですね。
シンガーソング民謡。
冒頭の「おまんた~~~~~~~」が秀逸なのだな。

どうほっとくか


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専従募集


子どもというのは、「かまわれるのがキライ」という認識でいます。
もちろん、ベタベタ甘えてくることはあるでしょうが、それはまあ「向こうから」であって、大人サイドから「かまってよい」ということとは違うのではないか?と。
つまり、距離感が適切にはかれているか?ってことなんだけど。

ウチの子が通っていた学童の先生が、「小学校中学年になったら、座ってるあぐらの中に子どもを座らせてみて、すぐに立ち上がって向こう行ったら正常」って言ってて、まあなんかすごく納得したことがあったんですが。
それでもべたべたする場合は、何か問題があるかもしれない。
例えば、学校でいじめられてるかもしれない、とか、まあもちろん、これはあくまでそういう「通説」というか、そういう類いであって、そこに某かの根拠というか、数字的な某かはないんでしょうけど、でも、これには経験的に大いにうなずけました。

保育園の保母を長いことしていたオフクロも、「子どもってのは、かまわれない方がいいんだから」とまあ、あたりまえのように言っていたことがあります。


この話を、そのままカイや市丸にスライドするには、多少の問題があって、やっぱカイは大人だから。
そしてまあ、障害の特性みたいなモノもないわけじゃない。
障害の特性よりも、なんか個々人の性格、親の性格、が勝ってる気がする今日この頃だけれど、まあ、そういう面もないわけじゃない。

でもまあ、なんか、基本的にこの「かまわれたくない」ってのはわかる気がするんです。
つまりは、適切な距離感、というか。


市丸なんかは、その距離感を計るのが難しいというか、けっこう「グイグイ入ってくるな、おい」と思ったら、「す~っと」すり抜けたりして、つまり、距離感がまったく読めてないというか、そういう物差しが彼の中にないんだな、って話なんですけど。

よくまあ、にじ屋のお客さんとか、素人の方、というか、普通の方は市丸にちょっかい出したり、まあいろいろするんだけど、市丸はそれに対しては迷惑。
でも、市丸が何かを聞くのは市丸は聞きたい。
といっても、まあ聞いてはいないんだけど。
でも表面上のそういうやりとりは好き。

つまり、「かまわれるのはイヤだが、かまうのは好き」という、距離感メチャクチャな感じになるわけです。
だから、なんか「付き合いにくい」ということになる。
子どもの頃にクラスにいたら、やっぱり浮きます。
だって、どう付き合ったらいいか、どういう距離感を持ったらいいかがよくわからないんだから。

ま、結果として、市丸は「何も言っては来ないが、自分が言ったら答えてくれる人」が好き。
自分のことは、とりあえずほっておいてほしい。
そこにグイグイ入っていくと、結局市丸はスッとすり抜けていく。


逆に言うと、俺なんかはもう「グイグイ入らざるを得ない毎日」だから、そもそも市丸は俺になにかを「言われたくない」んだよね。
でも、聞きたいことはいっぱいあるし、一緒にやってほしいこと(例えばどっかに行くとか)もいっぱいある。
ココ重要で、つまり、市丸としては「やむを得ない」という感じなんだよね。
やむを得ず、佐藤さんと付き合う、みたいな。

これはもう損得の話で、とてもなんか浅ましい感じがしますが、市丸の他人との距離感はそういう感じですね。
自分にトクがあるから、仕方なく佐藤さんと付き合っている、という。

それを忘れちゃって、こっちがちょっと踏み込んだりすると、逆切れを誘発したりする。
というか、それはまあ、意図的にやる場合もあるし、というか、そういうラインは一応わかってはいます。
時に感情的になりすぎて、そのラインを越えちゃったな、失敗したな、みたいなことを後で思ったり。


こう考えると、カイの場合なんかは、そもそも喋らないし、特に趣味もない…そういう感じだから、もう「トク」もなにもない、と考える事ができますから、基本もう「かまわないでほしい」んだよね。
自分からはかまってもらいに来るけれど、他人からは来るな、みたいな。
カイからは俺にチューを迫ってくるけど、ふざけて俺から行くと(行きたくはないが)嫌がったりね。

これ、まあ朝のマラソンとかでもそうなんだけど、適切な距離感、ってのがあって、間合いをつめればつめるほど、カイは逃げます。
だから、いい間合いで、イイ感じでマラソンができるのが一番いい。
その「距離感」ってのをつかむのは難しいけれど、でも、できないことじゃないと思う。


やっぱり、知的障害者に対して、って考えちゃうと、どうしても「なんかしてあげる」的な感じになりがちなんだけど、どっちかというと、「どうやってなんかしてあげないか」ってコトを考えた方が、なんか長続きするような気がする。

つまりはまあ、距離感、なんだけど。
「どうほっとくか?」
「どう適切に距離を開けるか?」
みたいな。




(BGM:青山ミチ「恋はスバヤク」fromYOUTUBE)
→「地震や火事なんかはへっちゃらだけど とってもガマンができないそれは寂しい気持ちで1人でぽつんと座ってならなきゃならない~」あたりのブレイクがカッコイイぞ、これ。

「青春の馬鹿騒ぎ」と「みんなとの約束」


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ま、陽子がみんなに正直に失敗を話してからずいぶん変わった、というようなことを前に書きました(http://superchingdong.blog70.fc2.com/blog-entry-4404.html)。

彼女は声が格段に明るくなり、にじ屋でも褒められることが多くなり、みんなからの信頼も勝ち取れるようになった。
そうなると、好循環。
これまでが「みんなに隠す→みんなに堂々とできない→小さくなってる」という悪循環だっただけに、まあこのパッと明るい感じをまとった彼女の変化はとてもうれしい気持ちであります。
もちろん、問題がなくなったわけじゃなくて、いろいろあるにはあるけど、でもなんか兆しを感じる、というか。

前にも書いたように、どこまで続くかはわからないけど、でもこの「好循環」な感じを肌で感じておいてもらえれば、きっとまた戻れるだろう、という気もします。


彼女が隠れてお菓子をすごく食べている、というのは知っていたんだけど、それはまあ、彼女は「ばれるわけがない」と思っていたようだけど、まあちょっとしたルートでわかっていたんです。
肥満気味、というか、気味以上の彼女、しかもそれが負担になってると思われる呼吸の関係も深刻。
そこはやっぱ、一人暮らしの彼女としては、自重しなければならない点。
週1日は自由に食べよう、ときめて、他はガマンしよう。
一人で食べるのはやめて、その週1日はみんなと食べよう、みたいなことになって今に至ってるわけですが。

で、この話のあと、本当に「食べてないようだ」ってのが、その某ルートからわかってきまして。


これね、まあ、我々の中では、正直言うと、「そうはいっても食べるのはやめられないんじゃないか?」とちょっと思っていた、という感想もありまして。
「ホントにやめられたなんて、すごい!」という。

ま、そりゃそうなんだよね。
自分に甘く、他人に厳しい、の典型のような彼女ですから。
いろいろ理由つけちゃあ、食べちゃうんじゃないか?という。

でも、そうはならなかった。
これ、どうしてなんだろう、ってちょっと考えまして。


まあ、好循環になったのが一番大きいんでしょう。
だって、ガマンするだけがマンするのは辛い。
「イイコト」がなければ、やっぱり続かない。

ってか、まあそれは肥満の解消、という、大きな意味では、ガマンするだけでイイコトなんだけど、今、ナウ、イイコトがないと、やっぱきついんですね。

よく俺は、知的障害者は未来を予測するのが難しいことが一番の障害、と言うんだけど。
つまり、これ以上太るとヤバイからガマン、とか、そういうの。
「これ以上太ると」の部分の「想像力」が、なかなか難しい。
今、痛ければ、まあガマンもできます。
でも、「将来痛くなる」というのは、なかなか難しいわけです。

店に行って、棚にある商品を勝手に食べてしまったら、店員さんに怒られる、そして捕まる、親やみんなが悲しむ、みたいなことを普通は思いますけど、そこの「先」の部分がなかなか想起できなくて、「今食べたい」が勝ってしまったりして、「万引き」になってしまったり。

そういう意味では、今回の、なんか一気に好循環に入った、のはよかったんだと思います。


それと、もう一つ。
集団の力、というか、仲間の力、というか。

よくあるのが、「親が何言っても聞かないんです」って親の話。
市丸にしても、来たばかりの頃は、いや、それ以前も、ずっとテキトウな服を着てた、と親御さんは言います。
「夏になったんだから、この服を着なさい」と言っても、聞かない、と。
それが、ウチに来て1か月くらいで、「この服カッコイイかな?おかしくないかな?」と朝、親に聞いてきてびっくりした(当時はまだ実家通い)、という。

この手の話、けっこうあるんです。

よくよく考えれば当然で、誰だって、子どもの頃、中学の頃、親の言うことより、仲間の「お前の服かっこ悪いな」と言う方が「こたえる」。
仲間の言う服が、親には気に入らない派手な服だったとしても、そっちを選ぶ時期がありましたよ。
ま、それが行きすぎれば同調圧力だし、イジメだし、すべて諸手ってことでもないですが、そういう「感覚」は、親から離れていく時にあるべき感覚で。

つまりまあ、親の言うとおりにはいつまでもいかない、のが青春であって、親子仲良く、なんてのは、親の側の希望であって、子の希望じゃない、というか。
ちょっと気持ち悪いよ、というか。

そういう感覚が理解、というか会得できている「部分」もある彼女。
だからこそ、なんか「みんなとの約束」ってのが、なんか入ったんじゃないかな、と思ったりしたんですね。


パラリンピックとかで、障害者が出てくる番組も増えたけど、やっぱ親が必ず出てくるし、いや、画面のどっかにはいたりする。
それ、なんか、俺はすごくイヤで。
「こんなに努力しました」「こんなことしてます」ってのはわかるし、尊い。
けれど、青春はどこにあるんだろう?って。

親に内緒でエロ本を回す。
親に内緒でタバコを吸う。
親に内緒で親が連れてってくれなさそうな場所に行く。

そんな仲間が青春であって、そして、人生において大切なのは、なんか青春の馬鹿騒ぎだ、って俺は思ってて。


ま、そんなこんなを彼女のあれこれから思ったりしました。


こんなこと書くとね、親御さんからは、「親を排除するようなことを言わないでください」とか「親を悪者みたいに言わないでください」とか言われるんだけど、いやいや、そうじゃなくて、「くそばばあ」言われるのが親の仕事じゃないの?って思うのよね。

そりゃね、障害児を産めば、必死にやらざるを得ない。
自分の人生を賭けてやってこなきゃ、ここまでやれなかった、ってのもすごくわかるんですよ。

でも、親は親で、なにか他の生きがいを見つけてください、って。
それが子に対する、今のアナタの仕事です、って。
親が離れなければ、子は離れられないんですよ、って俺は言うことにしています。







(BGM:Still「彼女はアドバルーン」fromYOUTUBE)
→レベルストリートというコンピの4作目に収録されてる曲。
そもそもまあ、このコンピは寄せ集め感が強くてイマイチ、みたいなこともありますが。
当時で言うと、どっかD-DAY風な。
でもまあ、もうちょっと声に魅力が欲しいところではある。

イイ感じで「コソコソ」が、いいよな!


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専従募集


結構前から、コウヘイが家にみんなを呼びたい、みたいな話をしてて。
でもまあ、彼は実家だから、具体的にはやっぱ親御さんが迎えてくれるか?みたいなことが重要なカギになるわけです。
それにまあ、高校生の時のように、コウヘイの家に行って、コウヘイの部屋にこもって酒飲んだとしても、結局は親御さんがかたすことになるんだろうし、それもなんか違う。
やっぱ、大人だし、そんなにこそこそする必要はないわけです。

ウチの子が中学生だったかの時、なんか友だちが来てるなあ、と思ったら、どうも後日判明したのは、その日、みんなで酒飲んだらしく。
その中の一人の子が良心の呵責に耐えかねてその子の親に言って発覚した、という微笑ましい感じの展開になったことがありました。

ま、飲みに行くのに「こそこそ行く」、ってのは、やっぱ楽しくありません。
「どう?みんな行く?」みたいな、そういうのがやっぱたのしい。
時には、二人で話したい、とか、深刻な話、ってのもあるから、それはそれでアレだけど、まあそれはそもそも楽しみに飲みに行くのとはちょっと違う。

で、まあ、お母さんに聞け、ってことになって、どうせなら一緒に呑もう、みたいな。
というか、そもそもお母さんというのが、俺の大学の先輩だったりするので、まあ、他の親御さんよりずっと近い。
ま、二人とも、ここで再び出会うとは夢にも思ってなかったわけですが。

で、まあ、行くコトになって。
とてもワクワクして行かせてもらったんですけど。


で、時同じくして、井上と陽子も何かを計画していたらしく。
でも、それは直接俺や専従の耳には入ってこないようにやってるんですよね。
そもそも、まあコソコソしてるんです。
いつもそうね。

これはまあ、陽子の意向だってのもわかってるんだけど、つまりはまあ、「先生はいらない」ってことなんだよね。
悪いことじゃないし、やっぱ「異物」が入ることで、やりたいコトができなくなることってありますから。
我々はやっぱ彼らにとっては異物。
彼らは仲間同士でも、まあ俺も仲間だけど、でもやっぱちょっと違う。
それはまあ、現実ね、否が応でもそうなっちゃう。

ま、いいんですよ。
それ自体は悪くない。
でもね、この「飲み会とかをこそこそやる」ってのは、やっぱどんどん暗くなっちゃうのね。

その翌日、今度は陽子がコバに「市丸の家で飲み会をやるから来い」というメールを出したらしく、コバはそれに従い、結果的に外のプロレスファンの人の誘いを断る形になってしまった、ということがありまして。

つまり、そもそも「市丸の家でやる」って市丸にも言わずに勝手に決めてるところも問題でありまして、けっこうウェルカムな市丸も、なんかその翌日に聞くとちょっと「陽ちゃんが勝手にやったことだから、俺、別に…」みたいな感じで、ちょっとどうか、ってのもあるけど、ま、これも専従には秘密でやってるわけ。
で、コバに聞けば「恐くて断れなかった」となる。
恐いったって、なにがあるわけじゃないんだけどね。
ま、彼らにとってヒエラルキーは絶対で、特にコバはそういうところがあって、井上と陽子には逆らえない。
それもまあ、コバがそこを自覚しない限りは、しょうがないところではある。
ま、彼らはそれを知ってて、コバを誘う。

でも、その日にいつもにじ屋のイベントやプロレス観戦で時々出会うアオテツさんとかカワセさんに誘われて飲みに行ったノブの話しを聞くと、もうコバとしては「そっちに行きたかった」となるし、市丸もまあ同様で。
まあ、コバは事前に、コウヘイの家でノブから聞いていたんだよね。
でも、「陽子の誘いを断れないから…」と。
市丸にはまあ、その話があってから当日の間までにノブが接触するチャンスがそもそもなかったので、市丸には事前になにも伝わってはいなかったんですけど。
それがあるから、余計に「陽ちゃんが勝手に…」ともなってしまい、悪循環。


話をしてくれれば、うまく丸めることはできるし、陽子がやろうとしている飲み会をもっとみんなが来たいモノにする応援はできる。
けど、まあ陽子や井上は、まずもって「専従には言いたくない」んだよね。

ま、最終的に困った事態になった場合、言いに来るんだけど、前にもなんか面白い事件があったんだけど、ちょっとその記事が見つかりません。
井上と陽子、ミツを中心に、外の人とかも呼んで飲み会をやりたくてやり始めたはイイけど、とにかく専従に秘密にやってて(って、ホントは知ってたけど)、そのうちミツと井上が決裂、どうにもならなくなって、泣きついてきた。
ま、それでうまくはいったんだけど、つまりはまあ、「困ったとき言えばイイや」とは思ってはいるんだと思うんだけど。

だから、まあそれはそれでイイっちゃあ良いんだけど。
俺たちはやっぱ異物ですから。
いいたくない、ってのは、正しいと思うんだ。
陽子や井上はきちんとそういう成長の形を踏んで異物を入れないように自分のやりたいコトをやっているんだと思うんだ。
だから、異物を入れたくない、という陽子の意思は最大限尊重するし、知ってても知らないふりをきっちり最後までやります。

でもなあ、やっぱコソコソするのはなあ、という。
このコソコソが、なんていうか、「異物を入れたくない」ってコトだけであるならいいんだけど、つまりはもうコソコソが常態化しちゃって、クセになっちゃって、例えば医者に止められてることをコソコソやってしまったり、自分にも嘘をついて約束を実行できなかったり、、ってことに広がっちゃうと、困ってしまう。
杞憂であることを祈りつつ、まあそういうね、ところもある。

ま、小さい頃からの親子関係とか学校のこととか、そういういろいろもあるんでしょうけど、コソコソしちゃうアレってありますから。

だから、こっちの出方ももっと気をつければいいのかもしれないよね。
知ったときの対応をどうするか?というか、異物感をどう出さないか、というか、口をどう出さないか?というか。
ま、口は出さないんだけどね。
でもまあ、なんか専従に言う、ってのがイヤなんだろうな。
それはすごく正しいですよ。
いいことなんですよ。

だからまあ、いいんだけど、気に掛けなきゃいけない部分ではある、という感じかな。
ま、実際、彼らの「内緒」はほぼ筒抜けなので、把握はしてんだけどね。
いつもじっと最後まで黙ってるって感じで。






(BGM:CarpLovers+「それ行けカープ(若き鯉たち)」from「カープソース~ジャズピ味~」)
→ま、カープの応援歌をジャズピアノにしました、と。
ほぼ原型のない曲もあって、なかなか楽しい一枚。

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