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スーパーちんどん・さとう

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「好きになっただけなのに」 ★ 映画 「禁じられた遊び」


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「禁じられた遊び」を見てきました。
中田秀夫監督作品。
Jホラーの始まりといっていい「リング」の監督である。
あれは傑作であった。

さて、その監督が何を見せてくれるのか、という期待があったのだけれど。
これがダメ…。
もう本気でこれはダメだったと思う…。

いや、何がダメだったかというと、キャスティングである。
主役に橋本環奈さんをもってきたところがダメだった…。
全てダメにしてしまった、という気がする。
いや、橋本さんが悪いわけでもないのかもしれない。

というのは、ちょっと橋本さんにまつわるNGが多すぎたんじゃないか?と。
NGというのは、アイドルイメージを崩さないための「こんな役はやらせない」みたいな感じのことですね。

まず、見た誰もが思うと思うが、タバコね。
一応、すれっからし方面の役ではあるんで、タバコを吸う、ってのは演技としてあっていいと思うんだが、これ、吸わない。
いや、そうじゃない。
最初からタバコが出ないんじゃなくて、タバコは持つ、ライターもつける、が、そこで何かが起こって吸わないで外に出る、みたいな感じになるんだ。
これ、吸ってからでもまったくかまわないんだと思うし、ここまで吸う動作をしているから、コンプラ的にどうこうじゃないと思うんだよな。
「ウチの橋本がタバコを吸うのはイメージが…」ということなんじゃないかと推測。

というか、そういう推測をしてしまった時点で、もう物語には入り込めなくなるんです。

それと、この話はそもそも嫉妬の物語なんですよ。
もう一人の主役、重岡大毅さんの奧さんが嫉妬深い超能力者で、という設定。
その奧さんが死ぬんだけど、死んでも彼女は橋本さんを恨み続ける。
こうなるとね、つまりは橋本さんと重岡さんが不倫関係だった、ということじゃないと成り立たないじゃないですか。
そもそも、ホラーなんていうのは、嫉妬や妬み、恨み、そういうギトギトしたことを表現するからこそ怖くなるわけですよ。
だから、二人の愛欲にまみれたベットシーンくらいはないと成り立たない。

が、これがですね、橋本さんが一方的に重岡さんのことが好きだった、というだけでしてね。
重岡さんもちょっとだけ惹かれていたと最後に告白するが、それほどでもないのよね。
実際、奧さんと子どもが生まれたときに会社に一緒に来てたりするわけで。
なのに、奧さんがものすごい勢いで「旦那を取らないで!」と湯飲みは割るわ、生き霊飛ばすわ…、もうそりゃないよ…。
これ、もう二人やっちゃってなきゃダメじゃん!と。
そこまでいかないと、この恨みの生き霊がまったく生きないと…。
んなことで生き霊飛ばしてたら身体持ちませんし、そもそも「何その束縛欲…」という感じで。
高校生じゃないんだから、「好きになったから」って…。
そりゃないって…。

この辺も、もしかして「ウチの橋本がやっちゃってる、ってのはイメージが…」ということなんじゃないか、と。
あ、重岡さんはジャニーズなので、そっちかもしれないが。

最後に、これはちょっと言いがかりって感じもしますが、とにかく橋本さん、色気がないの。
艶っぽさがない。
あ、いや、彼女を否定してるんじゃないんですよ。
でも、このストーリーの中では致命的なんだよな。
逆に、CMとかの爽やかは彼女がやって、すばらしいモノもずいぶんありますしね。
この話に限っては、この「艶っぽさがない」のは致命的なんです。
だって、男を取り合う話ですよ。
方や奧さん役のファーストサマーウイカさんがすごく艶っぽく、なんかもうバランスが悪いというか…。
男を取り合ってる感じがまったくしない…。

というようなわけで、とにかく橋本さんのキャスティングミスだと思うんだよな…。

加えて、橋本さんが勤めている映像制作会社。
イエロージャーナリズムっぽいんだけれど、だとしたら上司はもっとメチャクチャな人じゃなきゃ…。
イケメンの優しいお兄さんじゃないかこれ…。

いや、橋本さんはステキだと思うんですよ。
でも、この映画にはないだろ…という。

そしてストーリーとして致命的なのは、こういう清廉潔白な二人が主人公であるにもかかわらず、最後は子どもが焼けるのを見てる感じで終わるという。
いいのかそれは…。
子ども焼けてるで…。
「好きになっただけなのに」という女子高生みたいな話であるにもかかわらず、非道にも子どもを焼くなんてのは、どっかバランスがほら…。

救いはファーストサマーウイカさん。
彼女の演技に救われました。







(BGM:YO-KING「死ぬまで遊ぶ」from「It's My Rock'n'roll」)
→フォーク好きなんだな、この人。
フォークロックの基本のような一作。
アコギ&ブルースハープからベースが入りドラムが入ってくる、ゆったりとした歌い上げるロック。
気持ちがいい。

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結局霊はいたのかいなかったのか ★ 映画 「スイート・マイホーム」


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誰もがマイホームが欲しいと思っているのだと思うけれど、今の時代、なかなかそれが実現できないという。
夢のまた夢、いや、結婚すら夢のまた夢、ということもあるという。
一昔前ならたいがい結婚してマイホーム、という流れだったのが、それが夢になっているというのはもう政治の失敗なんだと思う。

一方で、家を作る会社としてはまあかなり切羽詰まってもいるのだと思う。
だって売れないんだから。
大きな新興住宅地みたいなモノを造成する、というのもちょっと時代的に難しくなっているのだろうか。
それだけに、なのか、一軒一軒に関する「こだわり」のようなモノがものすごく新築に求められている時代ということになっている風にも思えます。
CMとかでも、「あなたの夢の実現」的なのをよく見ます。
でも、多くはそもそもがものすごい広いリビングが前提だったりして。
んなデカい土地は買えないよ、という感じだったりして。

その上、まあ「外から操作できる給湯システム」とか。
とにかく玄関から暖かい、とか。
オール電化です、とか知らんけど。
そういう「オプション」みたいなところで値を上げている感じもある。

じゃないと、まあ収入が確保できないもんな…。

というわけで、「スイート・マイホーム」を見てきましたが。
窪田正孝さんという俳優さんがなかなかいいね、という話をアキとしていて。
この前のボクサー役もよかったし(http://superchingdong.blog70.fc2.com/blog-entry-6383.html)、まあ他にもいろいろ出てましたよ。
売れっ子ですよね。
彼が主役ということでちょっと見に行ってみよう、と。

これ、マイホームを購入しよう、ってところから話は始まるんだけれど。
この住宅会社の人がまあちょっとヘン。
最初からなんか怪しい。
でも住宅を売る会社なんてのは愛想がよくてナンボだし、一戸売れればすごいんだろうからそりゃ客も囲うよな、的な感じもあるんだろうし、どうなんだろう、と思って見ていたんですが。
このマイホームを買ってから、どっか家族もすれ違ったり、なんと家で殺人が起きてしまったり、ということがありまして。
そもそもこの主人公、不倫もしていて。
その不倫現場というか、彼女の家に入るところを動画で押さえられていて。
その動画が彼女の旦那のところに送られたりとか。
ちょっと不穏なんですよ。
とにかく「脅かされる要素」もある、という。

で、とにかくこの家が地下に暖房設備があって玄関から暖かい、とか。
ま、そこがかなりの売りなんですね。
他にも、各部屋の様子がモニタリングできる、と。
これがまあこの家で起こるいろいろについて役に立って?いくわけです。

こっからはネタバレになりますので、これから見ようという人は読まない方がいいような気がします。

で、まあその犯人は誰か?って話になるんですが、最初の住宅会社の怪しい人かな、と思いきや、彼がまずその家の近所で殺されてしまう。
あらあら、これはどうなんだと。
主人公の兄も半引きこもりみたいな感じで、怪しいっちゃあ怪しいが、どっか彼はそんなに悪い人ではない、むしろ味方だな、という描かれ方で。
しかも殺されちゃうし。
その上不倫していた彼女も殺されてしまうので、彼女の線もない。

さて、でもそうなると、最初に住宅会社で会って設計をお願いした女性しか残ってないんですよね。
あとは警察を名乗る男も一人でやってきたりしてちょっとなんか怪しいが、途中で兄が殺されたときにちゃんと警察の人だったというコトが判明。
それとね、まあ奧さんもどっか不穏というか、ちょっと精神的に追い詰められていきましてね。
そこも怪しいが、でもそうなると精神的に追い詰められる、という意味で時系列があわない。
なので、最初の殺人があった時点で設計士しかいない、ということにはなってしまいまして。
けっこうその時点で犯人がわかっちゃう。
そこはちょっと惜しいか。
もうちょっと、奧さんの友だちとかを不穏に描いてもよかったのにな、と思ったりしました。

設計しただけあって、なんと彼女、屋根裏の怪人だったという…。
全ての部屋の様子を見れるモニターまで屋根裏に…。

これ、まあ結局、殺人は殺人として霊的な感じのモノを見てしまった奧さんと、奧さんの友だちの子どもが見たのはなんだったんだ?ということになるんです。
そこの部分もなんか設計士の彼女が仕組んだ、というような結末だったらもっとよかったのにな…。
でもまあ、その設計士の彼女はどっかチカラ技の感じなので、そういう繊細な仕掛けはしない感じでもあるんだけれど。

というわけで、スッキリしないところもあります。
住宅展示場に行ってから住宅完成までが一年とか二年とか経ってる感じなんですが、そこがハッキリしない感じもあり、そもそも設計士が「一年くらい前の不倫現場を撮影する」という設定も薄ぼんやりとなってしまったということもあります。
それと、「地下室」というのが一つのキーワードになっているのに、設計士が屋根裏にいたというのもちょっと惜しいか…。
そこは地下室に扉があって…、とかにして欲しかった。
ま、その辺は原作なのか、まあ読んでないのでわかりませんが。

というわけで、すごく怖いというわけでもないが、なかなか推理モノとしては面白いんじゃないかな。
さっき「設計士しか残ってないんですよね」と書いたけど、もしかしたらそういうことを考えさせる暇もないスピード感もあるので、もしかしたら「誰?誰?」となって見てれるのかもしれない。
ちょっとやっぱ俺、映画を見すぎている人としてはそういう「イヤらしい見方」をしちゃってるかもしれないと反省。








(BGM:永井真理子「Mariko」from「やさしくなりたい」)
→「見つめていて 情けないところも全部 私はMARIKO」
…う~む。
ファンはきっとそういうところも見たいんでしょう。
まあ売れちゃって迷いとかもあったんだろうな。
いろいろ明るくは書いているけど、なんかあったんかな…という。

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これは見て下さい ★ 映画 「福田村事件」


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9/1は防災の日、ということで。
が、「なんでその日が防災の日?」というのを知らない人も増えているとか。
関東大震災の日なんですね。
今年がちょうど百年目ということらしい。
つまり、関東大震災は1923年だったということになります。

改めて調べてみますと、第一次世界大戦が終わったのが1918年。
満州事変が1931年ですから、その間に起きた、という。
日清日露戦争から第一次世界大戦まで、基本敗戦国とはならない中、日本はイケイケだった時、と言えるかもしれない。
逆を言えば、天皇を中心とした大日本帝国が、反戦を訴えれば非国民、天皇を神とあがめなければ非国民、そんな時代が始まりを告げていたとき、ということも言えようか。

そんな100年前に起きた事件をモチーフとしたフィクション映画「福田村事件」を9/1に見てきました。
わざわざフィクション映画と書いたのは、監督が森達也さんだからですね。
これまでドキュメンタリーを主戦場としていた彼がどんな劇映画を撮るのか、という興味もあり、公開初日に行ってきました。

千葉の福田村で起きた大虐殺を題材にしていて。
いわゆる、大震災を機に起きた朝鮮人大虐殺の中の一つの事件だ。
こういうことが日本各地で起きていた、ということである。

この映画、背景がすごく丁寧に書かれている。
村の若者は兵隊に取られる。
もう「命を御国に捧げます」みたいなことを言わなければ非国民と言われる時代。
「生きて帰ってこい」とすら言えない親。
遺骨を「英霊だ」と持ち上げる軍服をまとった退役軍人。
その監視下に置かれ、どこか村はピリピリした空気に覆われている。

同時に描かれるのが、いわゆる不倫、というか、旦那を兵隊に取られたさみしさから他の男と関係を持ってしまう女達。
それを「兵隊に行って帰ってきたら女房がそんなことしてたらやってらんねえ!」と憤る男。
「兵隊っていっても、他国の兵士と闘ったわけじゃなく、味方の上官に殴られただけ」と言い切る退役軍人もいる。
でも、国のために死ぬ、ということでみんな兵隊に取られたのだ。
そりゃ妻もどうしたらいいのか、身の置き場がないというか、やぶれかぶれにもなる。
他の男と関係を持つのは当たり前、そもそも男もいつ兵隊に取られるかわからない。
つまりは死の宣告でもある。
そうやって兵役がまだの男は荒れ、兵役から帰ってきた男達は荒れ、女達もやさぐれている。

つまりはもう、ものすごい「やけっぱち」感が漂っているのである。
それが国体を破壊するような方向に爆発するならいいのだろうが、「天皇を中心とした国体」にこだわる退役軍人会や軍隊、警察がそれを許さない。
どんどんその鬱屈とした思いは澱のようにそれぞれの登場人物の底に溜まっていく。
毎日の中で、あの男と寝たとかどうだとか、そういったことでいじめたり、イヤなコトを言ってみたり、そんなことで発散するしかない。

そんな時に起きたのが関東大震災である。
この映画では、その被災状態はあまり描かれない。
そういう地域だったのだろうか。
で、まあ、それはそうと、震災後すぐに、「朝鮮人が井戸に毒を入れている」「火をつけ回っている」という噂が流れてくる。
「それを実際に見たモノはいるのか?」というデモクラシーを信じる進歩的な村長。
彼はそれはデマじゃないのか?と執拗に問うが、まあもうそんなことは関係なくなっていて。
これまでの兵役の恐怖、妻が他の男と寝ていたという嫉妬、他の男と関係を持たざるを得なかった悲しさ、つらさ、そういった鬱屈とした思いの全てが、すでにもう「朝鮮人を殺せ」に向かっていっていたのである。

この虐殺の被害者は、いわゆる被差別部落から来た行商団である。
朝鮮人ではない。
ここがこの虐殺の問題が根が深いことを表している。
虐殺する側の腰抜け感、怖がって虐殺を実行する様子、全てが滑稽でもあり、どれだけこの虐殺に意味がないのか、ということを。
誰も「実際に」手を下したくもないのだ。
群集心理、と言えば簡単だが、そこに至る誰もが窒息しそうな村の空気感がそもそもこの虐殺を引き起こしている。
窒息しそうな空気をのものを払うために、全く無関係な朝鮮人虐殺を行うなどというのは、そもそも冷静に考えればおかしい。
が、その窒息しそうな空気は冷静になることも許さない。

さて、今の時代はどうだろうか。
格差がどんどん広がって、毎日を生き抜くことで必死。
遊びにも飲みにも、旅行なんて当然行けない。
その息苦しさを吹っ飛ばすために、生活保護を受けている人をバッシングして溜飲を下げる。
障害者が電車に乗れないと駅の無人化をやめるように声を上げれば「贅沢だ」と反発する。
そうやって「標的」を見つけてはSNSなんかで叩く。
それって「朝鮮人は殺せ」と同じじゃないのか。

この映画では、「朝鮮人が井戸に毒を流した」と触れ回っていたのが警察や軍だったのではないか?ということも示唆されている。
実際にそういう史実もあるともいう。
つまり、彼らが国民を朝鮮人憎しに駆り立てたとも言える。

先日、松野官房長官は、関東大震災当時の朝鮮人虐殺について「政府内において事実関係を把握する記録は見当たらない」と述べた(https://twitter.com/SMChingDongSATO/status/1697060007022588363)。
まさに同じじゃないか。
彼は犬笛を吹いたのだ。

この映画は、過去の出来事を題材にしているが、まさに今の映画である。

…てなことで、まあ以上で話はキレイに終わってるけど、ちょっと映画そのものについて。
森監督がフィクション、ということでちょっとどうかと思っていたのは全くの杞憂でした。
本もよかったのだろう。
伏線もしっかりしていて、エンタメ映画としてキチンと成り立っている。

そしてなにより、役者がイイ。
「岬の兄妹」(http://superchingdong.blog70.fc2.com/blog-entry-4783.html)で兄役を演じた松浦祐也さんの、鬱屈としたモノを抱える男の演技がまずすばらしい。
彼の妻は兵役している間、実の父と関係を持ったのである。
そのことに気づきながらも妻にも父にも否定され相手にされない辛さ。
自分が小さい男だ、と気づいてもいて、そのコンプレックスも抱えている役を怪演。
とにかく彼が象徴的な村人を演じている。

行商団のリーダー役が「ミックス。」(http://superchingdong.blog70.fc2.com/blog-entry-5819.html)の永山瑛太さん。
彼は穢多として自分たちが蔑まされていることを朝鮮人に重ね、そしてそれに反発心を覚えているのだけれど、学のなさなのか、うまく表現ができているとは言えない。
でも、そういうリーダーを皆は慕いついていく。
いや、ホント、カッコいいリーダー。
こういう人になりたいとさえ思った。
その行商団の中の若者が勉強をしていて、水平社の結党宣言なんかも読んだり出来る人で、それが次代のこの行商団のリーダーになっていく、という感じなんだけど、彼も殺される。
彼は「俺はなんのために生まれてきたんだ」とつぶやきながら息絶える。
このセリフにも伏線があって、いや、なかなかよくできてるのよ、ほんと。

他にも井浦新さん、東出昌大さん、水道橋博士さん、ピエール瀧さん、柄本明さん、それぞれがフィットした役柄を演じていて、気持ちがいい。

ぜひこの映画、多くの人に見てもらいたい。
前情報とか、この事件をよく知らなくてもきちんと面白い。
いや、面白いと言ってはいけないのかもしれない。
けど、こういうことがあった、ということを知る上で重要な映画だと思うし、このことを今に投影できるのなら、その反省をこれからに活かせた、ということになるだろう。
そのために作られた映画だとも思うし。






(BGM:Universal Sound「Asteroids」from「Concept In Dance 2」)
→こういうのはどうやって演奏?ってのをしてるんでしょうかね。
ターンテーブルとサンプリングなのかな。
こういうの好きな割によくわかんないので誰か教えてもらいたい。
というか、一回一緒にやりたい←無謀。

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人生を闘え ★ 映画 「春に散る」


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格闘技には人を熱狂させる何かがある、と思っています。

もちろん、人が殴り合ったりするわけだから「苦手」という人もいると思う。
とはいえ、そんな「野蛮」なものに熱狂する人も一定数いるというのは、そこに「何かがある」という気がしている。
それは何か、と問われると、恐らく格闘技は単なる殴り合い、痛めつけあいじゃなくて、そこに人生を見るからなのではないか。
プロレスしかり、ボクシングしかり、その選手のバックボーン、なぜボクサーになったか、とか、あの試合にはどういう思いで臨んだのか、とかっていう本、いわゆる「文字による格闘技」も盛んである。
そういうモノを読んで、人は改めて試合に価値を見いだす。
試合前にそうしたモノが流れれば試合を見に行こうと思うし、試合を見た後に「そういう試合だったのか」と改めてその試合の価値を自分の中で上げることもある。

職業として選ぶのだったら、たいがい格闘家にはならない。
痛い思いをして、いや、死ぬこともあるかもしれない、後遺症が残るかもしれない、という職業をあえて選ぶというのは、よっぽどそこに選手の意思がある。
その意思を読み解くのもこちら、客側の楽しみでもある。
だから、どんなに強くても客に届かない選手というのもいる。
一方で、不器用で勝てないが、客に届く試合をする選手もいる。
よく「ピープルズチャンプ」なんて言われたりする。

試合にはやはり人生があって、物語がある。
それに自分を重ねて客は熱狂するのだ。

どうしたって勝てそうにない機械のように正確でイイパンチを繰り出す選手に、どうしたって勝ちたいと闘いを挑む不器用な選手、という闘いだったら、やはり俺は挑戦者に肩入れをするだろう。
その不器用な選手は必死にトレーニングを重ね、多くの孤児にも応援され、試合に挑む。
しかしたいがい、その選手は多くのパンチを受け続けてきた結果、これ以上パンチを受けたら目が見えなくなるとか、そういったリスクを抱えている。
もうこうなると勝っても負けてもとにかく彼を応援してしまう。
そこに厳しい人生を泳ぎ続けている自分を重ねるのである。
頑張れと選手に声援を送っているようで、明日の自分に声援を送っている。

これが恐らく格闘技の醍醐味なのではないか、と思っている。
ま、間合いとかそういうのを技術的に楽しむ人もいるかもしれないが、俺は剣道とかをやっていたわけでもないし、格闘技もやったことがないからそういうのはわからない。
とにかく自分の人生に選手の人生を重ね、人生と人生のぶつかり合いに俺は声援を上げているのだと思う。

というわけで、ボクシング映画。
もう二段前に書いたけど、たいがいそういう内容になっています。
強い相手に挑む挑戦者が主人公。
主人公にはいろいろな過去があるが、とにかく勝ちたい。
自分を見失う手前でボクシングに出会い、それこそが自分が賭ける世界だと信じている。
選手生活に挫折した過去の選手にトレーニングを受け、やっとのことで選手権試合までたどり着き、それが映画のラストシーンになる。
しかし、そこに来るまで、主人公も身体的なリスクを抱えている。
これ以上パンチを受けるとヤバいのである。

これはロッキーでもジョーでもなんでも基本は同じである。
が、ロッキーは何作も作られるほど人気だし、ジョーを今でも崇拝する人は多い。

というわけで、「春に散る」を見てきました。
過去の名レスラーでボクシング界の「大きなジムが勝つ」的なイヤな感じに辟易として選手を辞めたトレーナーに佐藤浩市さん。
主役の「これ以上パンチを受けると目が見えなくなる」選手に横浜流星さん。
最後の相手、強いチャンピオンに窪田正孝さん。
ジョー言うところの葉子さん役に山口智子さん。
マンモス西には片岡鶴太郎さん、哀川翔さん。
といってもこの二人は佐藤浩市さんがジョーだった時代のマンモス西である。
しかし、この二人がいい味を出している。
いや、この二人がいないと話が全く進まなかったといっていい。

というわけで、最初の時点でスジはもうわかっている。
あとはキャラクターの問題というか、設定というか、役者さんがどれだけすごいかにかかっているわけだ。
ロッキーもスタローンだから成り立つ。
そういう意味では、この映画は窪田正孝さんがバツグンである。
ものすごく強いチャンピオン、という設定でありながら、どこかやっぱり「リングに上がるのは怖い」という人間的な部分をすごくうまく表現していたと思う。
この演技が、ボクサーという人生を深く表現していた。
主役だけではない、このチャンピオンも自分の人生と闘っているのである。
ここに深みが出たなあ、と。

そして一方、過去の栄光の中で一歩が出せない役に哀川翔さん、それでも立ち直って子どもたちにボクシングを教えることに生きる道を選んだのが片岡鶴太郎さん。
流星さんは、この試合後に手術、ボクサーを辞めて普通の仕事に、という。

いわゆる「わかりきった筋書き」であるとして、しかしやっぱり見てしまう。
そして最後の試合では主役を応援している自分がいる。
ボクシング映画はやっぱりいいな。

ただ残念なのは、ラストの試合の最後の最後、スローモーションが入るんですけど。
その臨場感が今ひとつ…。
打たれた瞬間の筋肉がハネる様子とかの衝撃が伝わってこなかった…。
フェザー級ということで、そもそも余分な肉もないというのもあるけど、ちょっとそこが惜しい。
むしろそこまでの普通のスピードでのパンチの攻防がよかっただけに、スローモーションはいらなかったのでは…。

調べると窪田正孝さんボクサーのライセンスも持っているとか。
さすがいい試合だった。

客席はけっこう埋まっていた。
平日午前中だったからか、俺と同じ佐藤浩市さん世代の皆さんが見に来ていて、いや、だよねえ、と。
俺たちも頑張ろう。







(BGM:The Prodigy「Omen」from「Invaders Must Die」)
→ま、このシンセサウンドにハマったらハマるんだろうな。
基本、エレキギターを前面に押し出したハードロックをエレクトリックでやったらこうなる、という。
なかなか肉体的でいいと思いましたね、俺は。

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これでいいのだ ★ 映画 「福山市長に1日密着してみた」


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まあ、これを一回分として取り上げるのか?という、自分の中のアレが多少発動しないでもないのだが、配信で「福山市長に1日密着してみた」を見た。
もうこれは予告編の段階で見たかった。
見たかったが、なんだか劇場なんかではこの辺ではやってないので(どこでも?)、そのうちなんか配信で見れるかな、と思ったらやっと見れた。
知らせてくれて配信で見れる設定してくれたアオテツのおかげである。

これ、スジはそんなに難しくなくて、福山市長を一日ドキュメンタリーを撮影しようとしたのだが、途中でディレクターがドアで市長を昏睡状態にさせてしまう。
悪意はないのだが、ドアを開けたところに市長がいたのよね。
で、市長倒れる…。
しかしまあ、ドキュメンタリーは数日中に完成させなければならないという切羽詰まった状況もあり、そのディレクターが一日市長になりすます!という。

…ま、みなさんポカンだとおもいます。
んなわけねえし、なりすませるわけがない、ともお思いでしょ?
けどね、じゃああなた、自分が住んでる街の市長の顔を知ってますか?と。
側近ならいざ知らず、商店街で買い物してる感じのフツーの人のどんくらいが市長の顔を知ってますか?と。
ま、ここが設定のキモであり、皮肉でもある。
「大丈夫、わしは市長ですから」と言われて納得しちゃう方も納得しちゃう方だが、「納得しない自信がありますか?」と問われると、ちょっと怪しい、という、この感じを皮肉った設定なのよね。

で、途中立ち小便をするおじさんをおいかけ、ひったくりを撃ってしまう、など、もうやりたい放題。
でもまあ、一つ一つは義憤であって、やり過ぎではあるモノの、まあどうだろう…許せるか許せないかと言われればでもやっぱ許せない感じではあるが、どうかな…。
その辺は皆さんの判断に任せたいところ←判断放棄。

ストーリーとしては、最終的には同伴していたご当地アイドルも成りすましていたということが発覚し…。
という。
なかなかね、これ面白い。
というか、福山市の協力がないと作れないだろ、これ…。
と思ったら、ホントに福山市のPR映画だったのか…。
やるな福山市…。

というわけで、ドキュメンタリーを模したフィクションなのだけれど、これがね、俺は面白かったんだな。
みなさん、まあ見れる環境にある人は見てもらいたいのだけれど。

このディレクター役の人。
俺のまわり、といっても俺とアオテツの中では超有名人で、大迫茂生さんという俳優さん。
『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズの工藤、と言えばもう皆さんおわかりですね。
…え?わからない…。
あら…。
まあ、じゃあしょうがないか…。
でもまあ話は続けますが。

オカルトのモキュメンタリーの世界ではバイオレンス担当、ということになっています。
心霊現象を追いかけるのだが、その手法が強引で、すぐぶっ飛ばすし、なんだかいつも金属バットを持っている印象。

で、その工藤ディレクターつながりで、福山市長に続けて「戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-03 人喰い河童伝説」を見たんですけどね。
これ、河童と対決する工藤さんという。
途中、河童に子どもをさらわれた近所の農家の人が出てきて。
河童への復讐心がすごいわけ。
で、工藤ディレクター達を「お前らみたいな半端な気持ちでやってんじゃねえんだ!」みたいなことで追い出したりして。
でも、工藤ディレクター率いる撮影班が河童に襲われて危機的状況に陥ったときに急に助けに来たりしてね。
「お前らもやるじゃねえか」とかなんとか一緒に河童に対峙することになったりして。
…青春物語かよ!と。
そんなこんなもありつつ、最終的には河童は捕まえられないのだが、もっと最悪なラストを迎えるのがこちらの作品。
このラストはちょっと想像がつかなかった。
しかも陳腐!
…いや、けなしているのではない。
褒めているのである。
陳腐すぎて思いつかなかったのが正解かもしれない。
…いや、けなしているのではない。
褒めているのである。

というわけで、この驚愕のラストはみなさん実際に見てもらって各々判断してもらって、そして声を掛けていただいて、一緒に飲みに行き、そこでその判断をですね、大いに語りあいたいというところであります。

いや、こうしたオカルトのモキュメンタリーは「怖がらせるモノじゃないのか?」という疑問もあるかと思うんです。
確かにそういう意味では怖くない。
怖くないのだが、ある意味では怖い。
皆さんが求める怖さと、俺らが求める怖さはまた違うのかもしれないんだけど、その辺、また語り合いたいところであります。

というかですね、まずこういうのを大の大人が一生懸命作ってる、ということをですね、皆にもっと知ってもらいたいんですよ。
そして「これでいいのだ」と、声を高らかに言いたい。

売れる売れないなんて知ったことか。
これでいいのだ。







(BGM:ケイコ・リー「Greatest Love of All」from「Voices - The Best Of Keiko Lee」)
→ジョージベンソンのライブ盤でこれを聴いて「こんなにいい曲があるのか」と感動した小学生の俺。
ちょっとイヤな子どもですね。
ま、どうカバーしてもあの元曲にはやっぱかなわないとは思いますが、歌いたくなっちゃうよね、そりゃ。
いい曲だもん。

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