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スーパーちんどん・さとう

Author:スーパーちんどん・さとう
ちんどん太鼓担当

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足がない


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(スーパー猛毒ちんどんの「足がない」のプロットの一つの物語)

施設に入ったら、自分のペースで生活はできない。
食事もお風呂も決まった時間にしなきゃならないし、そもそもこうやってカラオケなんかに自由には行けない。

私は大学生で、車椅子に乗っているけれど、大学の同級生や福祉の関係のサークルの人たちが一緒にカラオケに行こう、なんて誘ってくれたりする。
行きたいコンサートにも声をかければ「私も行きたい」なんて人がいて、一緒に行けたりもする。
時にはお酒を飲んだり、仲間として彼らが迎えてくれているのが嬉しい。

彼らも「コレまで車椅子に乗った人としゃべったこともなかったけど、別によくよく考えれば普通だよね」みたいなことを言ってくれたりする。
そりゃそうなんだけど、なかなかそういうことに多くの人が気づかない。
だから私なんかはそういうことを気づかせる役割もあるんだな、って思ったりした。

居酒屋に行っても、やっぱり段差があったりして一人では乗り越えられない。
時に座敷だったりすると、抱きかかえておろしてもらわなきゃならない。
でも、みんなそれを自然にやってくれる。
私は、どっか「青春」を彼らと過ごしていると思っていた。

そのサークルというのは規模が小さくなく、いろいろな人がいて、私も誘われてそこに顔を出すようになったけど、やることと言えば福祉の勉強とか、そういうのよりは飲み会だったり、どっか子どもの集まりにボランティアに行ったり、その程度のコトだ。
だから私も気楽に彼らに付き合っていたところがある。

その中で、やっぱり中心人物というか、そういう人はいて。
彼はことあるごとに私を誘ってくれたし、入りにくい居酒屋さんでも、「行こうよ行こうよ」と無理矢理誘ってくれるというか。
「あそこは狭いから入りにくいし…」なんて私が躊躇してると、「大丈夫だよ!」「それに、そうやって車椅子の人が行かなかったら、きっとお店の人も気づかないんだと思うし」と言ってくる。
そう言われると、そうかな、という気もして、私も彼が一緒ならどこにでも行けるような気持ちになった。

私はサークルの部室に行くたびに彼がいてくれたらいいな、と思うようになっていた。
とにかく彼のそばにいたい。
彼と話していたい。
もうその時から好きになっていたのだと思う。

私はそもそも好きになった人がそれまでいなかったので、その感情に戸惑った。
これが恋なんだ、と思うのには時間がかかったけど、一度それを認識すると気持ちはエスカレートしていった。
夜寝る時も、ご飯を食べる時も、朝起きた時も、彼のことが頭から離れない。
そのうち、私は彼のことを考えるたびに、彼に抱かれることを夢想するようになった。
セックスなんて自分には遠い世界の話だと思っていたのが、肌を合わせたらどれだけ気持ちがいいのだろう、と思うようになった。

でも、私は歩けないし、手も不自由だ。
彼の役に立てるとは思えない。
恋人になったとしても、私にはなにもできない。
そもそも服を自分で脱ぐことすら難しい。

それでも、彼のそばにいられればイイ。
彼を見ていられればいい、と私は自分を納得させ続けていた。
その先を望んでも上手くいくはずがない。

でも彼は優しい。
いや、私に優しいわけじゃない、みんなに優しいんだ、彼は。
そういう彼の言動に、私はとにかく自分の思いを顔に出さないようにと必死だった。

ある日、飲み会があってみんなで部室に集合していたんだけど、彼が来ない。
そのうち、他のサークルの男の子が「あいつ、またB子のとこで寝てんじゃないの?」と言った。
私は心臓がキュッとなった。
「やっぱあの二人つきあってんの?」他の子が聞く。
「知らなかったの?」また他の子が言う。
そういえば、B子ちゃんもまだ来てない。
「アイツ、実家でちょっと遠いじゃない。だから今もう彼女のアパートで半同棲してんだよ」
「へえ、まあ仲良きことは美しい、か」とみんなが笑った。
私は心臓がバクバクして吐きそうになった。
「でもいくらなんでも遅刻しすぎだろ!」と誰かがちょっと怒り始めた時、彼とB子ちゃんは息を切らせて一緒に部室に入ってきた。

「おせえよ!」「ごめんごめん!」そんなやりとりがあって、でも居酒屋さんの予約時間も迫っていたので遅刻のことはあやふやなままみんなあわてて部室を出た。

私はあまりその間の記憶が曖昧だけれど、誰かに車椅子を押されて居酒屋の席についていた。
乾杯があって、誰かが私に話しかけもしたけれど、私はきっと上の空だったんじゃないかと思う。
何の話をしていたかも思い出せない。

ちょっとしてから、彼が立ち上がって言った。
「今日、なんとAさんの誕生日で~す!」
ボケッと「彼は私の誕生日を覚えていたんだ」、と思った。
みんながハッピーバースデーとか言ってくれる中、彼が花束を私に渡してきた。
「この花束をBと買いに行って遅刻しちゃったんだよ!」と彼はみんなに言った。
「それならそうと連絡くらい入れろよな」と誰かが言って笑いが漏れた。
私はもう何が何だかわからなくなって、真っ白になってしまったけれど、とにかく涙が溢れてしまった。
「泣くなんて大げさな…、そんなに高いもんじゃないから気にすんなよ」と彼がいい、「お花屋さんに知り合いがいたから勉強してもらったんだ」とBちゃんが彼の隣でペロッと舌を出した。

そうだよね、そうだよね。
ありがとう。
そうだ、誕生日だったよね、私。
そっか。
そうだよね。

私はその晩から、大学を卒業したら施設に行ってもいいのかな、と思うようになった。
絶対に行きたくなかった場所だったけれど。









(BGM:RCサクセション「NEW SONG [Live]」from「THE KING OF LIVE [Disc 1]」)
→RCはライブ盤が多かったと思う。
ライブバンド、という気持ちが大きかったのだろうか。
こちら、清志郎さんがメインボーカルじゃないんだけど、そういうことは全く関係なくこれはRCサウンドだといういいトラックだと思う。
むしろここで好き勝手にバックでシャウトする清志郎さんがかっこよかったりする。
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ミヨちゃ~ん


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あの廃墟に行ったのは、昨日の晩。たくさんの落ち武者が襲ってきたから逃げ出したけどね。そしたらなんとマッハの速さで追っかけてくるもんだから、オレはジェットの速さで逃げようとしたんだけど、そもそもオレのバイクはそんなに速くないからさ。ヤツら俺を追い抜かしていったわけ。で、四方八方あちこち飛び散って、一人は民家の屋根に、一人は田んぼのかかしに、一人は中華屋の中華鍋に飛び込んだりして。もうそりゃ町は大騒ぎさ。じいちゃんは腰抜かすし、婆ちゃんは念仏唱えるしさ。ああ、オレのせいだな、って思ったけど、言わずにいたんだ。まったくどうして貝になりたい。今日になっても追いかけられてる中華屋の親父さんが信号無視で捕まって、そしたら今度はその警官を追いかけ始めたから切符は切られなかったって言ってたけど、そもそもヤツらはなんなんだ。そのうち町長が騒動を納めようと音速の落人を連れてきたからさあ大変。もう町から人はいなくなっちゃった。ヤツらに乗っ取られた、ってわけだ。(※)オレはというと、ひっそりと部屋の中にいるんだけど、だんだん腹も減ってきたし、部屋を出なきゃなんねえな、と思って窓から外を見てみると、落人が中華鍋振ってるし、落ち武者が交通整理してやんの。なんだかんだいいヤツらだなあ、とか思ってるワケだけど、とはいえ見た目が怖いから。どうにか隠れてスーパーに行こうと思ってるんだけどね。あ、そうそう、携帯が通じないんだよ。困ったなあ。料金払ってなかったっけ。ウーバーさんにでも出前を頼もうと思ったけど、そもそも携帯が通じなきゃ意味ないじゃん。しかもウーバーさんが落人だったりしてもなんだかなあ。でもまあ料理には罪はないか。旨ければいいもんなあ、って、だから携帯通じないんだって。ああ、困った。メシがなければケーキを食えばいいじゃないったって、ケーキだってあるわけがない。あ、でも小麦粉があるからケーキを作ればいいじゃない。いや、作ったことねえよそんなの。小麦粉だけでいいのか?イチゴはどうすんだよ。って、よく考えたら、小麦粉は食えるんじゃん。でもなあ、食ってもむせるか。なんならガスも止まってるから焼けないし。あ、焼けないならケーキも無理か。いや、そもそもケーキってフライパンで作るのか?ウチにはフライパンしかないじゃないか。ああ、困った。あとウチにあるのは額に入れて飾ってある鉄道写真。そういえばあっちこっち撮りに行ったっけ。そう、オレ、撮り鉄。線路に入って怒られて駅員とケンカしたのがオレの武勇伝。もちろん口喧嘩。そう、口喧嘩強いんだよ。お袋からはよく「口から先に生まれた」とか言われた。けど、んなことあるわけないから、多分普通に頭から生まれてきたと思うけど。でも逆子なら足からか。ああ、そんなことはどうでもいい。とりあえず食い物だ。仕方ない、外に出るか。あの角を曲がったところのスーパーはどうなってるのか。落人が品出しとかやってるのかな。大丈夫かよ。でもまあ、品物出すくらいはなんとかなるか。あ、レジはどうなんだ。レジも落ち武者たちがやってるのだろうか。だとしたら、お金は受け取るのだろうか。そういえば、スーパーでレジをやってた同窓生のミヨちゃんはどうしてるかな。無事に逃げられたのだろうか、って、いや、逃げる必要あったのか?逃げなくてもオレなんとか生きてるじゃん。あれ?なんでみんな逃げたんだ?。ってか、オレも最初逃げたからな。そりゃだって、怖いもん。あいつら見た目が怖いんだよ。でも捕まった人いたのかな。捕まったら食われたりとかしたのかな。でも、こっから見る限り死体とかはないけどな。骨までしゃぶったとか!いやあ怖いねえ。やるねえ。完全殺人。そういえば、前のバイト先の工場長はホントにころしてやりたかった。なんだかんだって怒りやがって。体もごついし、あんなので体当たりされたら終わりだよ。それが舌打ちとかするからもうイヤでイヤで。まあ、辞めてやったけど、でもそうしたら金がなくなって困ったもんだ、廃墟YOUTUBEとやらで一攫千金を狙おうと思って廃墟に行ったんだった(※からここまで2秒くらいで頭の中を巡った)。あ、今窓から撮ればいいじゃん。落人が鍋振ってるとこ。そうだそうだ。携帯だって、カメラは使えるわけだからな。よしよし。おっと、なんか見つかりそうだな。いや、見つかったからってなんだ。撮り鉄で鍛えたこの腕で落人を撮るのだ、落ち武者を撮るのだ!。口ケンカなら負けないぞ!。(※)ああ、でもやっぱりアングルがよくない。もうちょっとほら…、ダメだよなあ。やっぱ外出るか。出て撮らないとどうにもならんわ。むしろ「撮りますよ」と声をかければ向こうも悪い気はしないのではないか。こっそり撮るのもなんだか動画の規約違反のような気がする。あいつらにも一応人権というようなモノがあると考えた方がいいよな。いや、でも人なのだろうか。人?人間?国民?…でも、江戸時代の人なんだろたぶん。奈良時代?いやあ、どうかなあ。見た目じゃわかんないよ。ってか、彼らはどっかに肖像権とかで訴えるかな。訴えないか。だったらまあ、勝手に撮ってもいいか。でもまあ、勝手に撮ったの見つかって追っかけられたらどうすんのよ。ってか、追っかけてくるかな。ピースとかするんじゃね?いや、そうじゃない。オレは腹が減ってるんだった。腹が減っては口喧嘩もできぬ。とりあえずスーパーまで行くしかない。よし!出るぞ!(※からここまで0.5秒くらいで)あ、ちょっとまて、マスクはいるよな。マスクマスクと。あれ、マスク切れてるじゃん。昨日してたマスクでもいいか。ってか、それもないじゃん。う~ん、今の世の中、外に出るにはマスクはいるよな。外はいいにしても、スーパーに入るときはマスクがいるだろ。やっぱほら、まわりの人に白い目で見られるし。って、まわりもう落ち武者ばっかりだけどな。なんか元々白目っぽいし。あ、そうか、落ち武者はマスクしてないじゃん。じゃあオレもしなくていいか。マスクしてない人はきっとマスクしてない人に「マスクしろ」とは言わないだろさすがに。じゃあお前もしろよ!って話になるもんな、ってかそういう口喧嘩なら負けない自信はあるしな。よし!行ってみるぞ!。とりあえず落ち武者を避け、落人を避け、と。ぶつからないように、と。目も合わさないように、と。もうずっと下向いてるから難しいが、たぶん今50歩歩いたから、この辺で右折だな。よし!バッチリ!スーパーだ!。…ん?あれ?ミヨちゃんいるじゃん。普通?。ん?通常営業?あれ?どういうこと?。ってか、やばいな。マスクないぞ。これだとスーパー入れないじゃん。なんだよー、こんなに道に落ち武者ばっかりなんだからさ、落ち武者がレジやってると思うじゃん。えーどういうことー!。もしかしてこのスーパーが最後の砦的な?ゾンビ映画言うところのショッピングモールみたいな?ってか、マスクどっかで調達しないとどっちにしてもまずいな。あ、二回ワクチン打ってますから、みたいなことを宣言しながら入っていったらどうだろう?ダメだよなあ。そういうことじゃないわなあ。むしろ大声出して危ない人って思われるわ…。ああ、もうちょっと家の中でマスク探せばよかったか。って、なんかやばいな。オレのまわり、落ち武者増えてきたような気がする…。気づかれたか。ミヨちゃん!こっちに気づいてよ!で、マスク貸して。って、ミヨちゃんはオレのことなんか覚えてないか。彼女はクラスのマドンナ、オレは目立たない鉄ヲタ、もう勝負にならないか。しかも卒業からオレは20キロも太ったし。ってかんなことはどうでもいい。今はこの落ち武者の群れからどう逃げるか、だ。ってか、逃げる必要があるのか?こいつら、そもそも人間に何をするんだ?。こいつらはまず俺を追いかけてこの街まで来て、んで、居着いてるだけだよな。う~むどうしよう。戦うか。逃げるか。…よし、もうこうなったら戦うしかない!。まず、かますぞ!「おい!君たち!一体何者なんだ!」

工場長を撲殺し、ミヨちゃんを人質にスーパーに立てこもった男の供述である。





akuse.jpg

(BGM:Black Moon「Ack Like U Want It (DJ Evil Dee Remix)」from「Diggin' In Dah Vaults」)
→バックトラックが単調とか、薄いとか、そういうラップは好きですね。
ラップが途切れたあたりの、いわゆる普通の曲でいう間奏のあたりが調子っぱずれな音が入っていたりして楽しい。

タイムマシンにお願い


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(創作です念為)


去年のクリスマス、一番の仲良しのミユキからユウジの家でパーティをやるから行かない?と誘いを受けた。
ヒロシ君も来るという。
女性陣も数人いるようで、私はその誘いに乗った。

集まったみんなは大学でいつもつるんでる。
そして私はヒロシ君が好きだった。
彼はみんなに気を配る人で、スマート。
どっちかというと生真面目で、彼女とかって噂も聞かない。
大学には遊びまくってる人もいるけれど、ヒロシ君はそういうタイプじゃない。
だから、彼女はいないようだったけど、逆に告白もしにくい感じもあって。
一番仲のよかったミユキにも彼が好きだってコトは言ってなかった。
けど、気づいてたんじゃないかな、とは思っていた。

ユウジの家は、台所と二間しかないけど、一軒家。
だから多少騒いでも大丈夫。
その晩は盛り上がって。
深夜の2時過ぎになって、雑魚寝しようってことになって。

女の子三人、男の子四人。
まあ、いつものメンバーだし、女の子も3人いるし、と思って、私も酔っ払ってたし、寝ちゃったんだ。

夜中にふと目が覚めたら、ミユキの声が聞こえてきて。
誰か男の子と話してる。
小さな声で。
暗かったからよくわからなかったけど、それがヒロシ君だって気づいて私は全身から血の気が引いた感じがした。

「みんな起きちゃうよ」
「大丈夫だよ」
「でも」
「クリスマスだろ」

二人は抱き合ってるみたいだった。
途中、会話が途切れるのはきっとキスをしてるんだな、って思った。
私は悲しくて気が狂うかと思ったけど、なんか冷静で。
ああ、そういうことか、って思った。

ミユキとヒロシ君のためのクリスマスだったのか。
私は何も気づいてなかったよ。
そっか。
そうか。

そのうち、ミユキの声は途切れがちになって、あえぎ声が漏れてくるようになった。
必死に抑えているんだろうけど、でもやっぱりわかっちゃうものだね。
彼女は今、ヒロシ君の指で愛されているんだ。
クリトリスをなでられて、必死に声をかみ殺している。
ヒロシ君が膝立ちになって、下着を脱ぐ。
大きく勃ったヒロシ君の熱いモノをミユキは口に出し入れしている。

私は、とても悲しいのに、欲情していた。
あそこが濡れてきているのがわかる。
自分の濡れているところを触りたい…。
でも、そんなのみじめだって思うのに、でもどうしても触りたい…。

すると、後ろから手が伸びてきて、私の触って欲しいところに触れた。
私はビックリしたけど、声を出したらミユキとヒロシ君に悪いと思って声を呑んだ。
その手はユウジの手だった。

前からユウジが私に好意を持っていたのはわかっていた。
でも、ヒロシ君が好きだったから、それに気づかないふりをしていた。

そしてわかったんだよね。
これ、ミユキとヒロシ君が考えた、私とユウジをくっつけるためのクリスマスだったんだ、ってことに。
そっか。
なんだ、私だけ何もわかってなかったんだ…。

でも、私はユウジの指に感じてしまっていた。
このまま後ろを向いてしまったら、ユウジと向き合ってしまう。
そうなったら、キスをしなきゃいけないし、私はきっと彼のモノを触ることになる。
セックスもすると思う。
それはきっと「付き合うよ」というサインになる。
それはちょっと違う…、違うけど、どうしても体の欲求に逆らえない自分もいる。
セックスしたい…。
硬いモノを挿れてほしい…。

ミユキはヒロシ君が動かす腰にしっかり腕を巻き付けて必死に声を殺している。
たくさんミユキはヒロシ君に突いてもらってるんだ。
ヒロシ君のは、どのくらい硬くて大きいんだろう。

そんなことを思っていたら、後ろから私を愛撫していたユウジに肩をつかまれて、彼と対面する位置になった。
ユウジは「ずっと好きだった」と私に小声で言い、抱きついてきた。
私はどうしたらいいのかわからなくなってしまって、「ありがとう」って言った。
それがサインになったのか、結局ユウジと私はその晩セックスをした。

果てたあと、ミユキとヒロシ君は一緒の毛布にくるまっている。
私とユウジもそのまま同じ毛布で寝てしまった。

朝起きて、他のみんなが私たち二組のことをはやし立てた。
ミユキとヒロシ君、ユウジは照れまくっていたけど、私はうまく笑えていただろうか。
一晩のウチに、数時間のウチに失恋して、恋人ができたことになっている。
私は頭が追いつかなかった。

でも、セックスに応じたことには後悔した。
初めてではなかったし、遊びのセックスもしたけれど、今回はちょっと違う。
自分の欲望に腹が立ったし、私だけが知らなかった昨晩のみんなの企みに、なにかとても寂しい思いもしたし、ボケッとヒロシ君も来るからってクリスマスパーティに来るなんて言った自分が悔しかった。

その後一年間、私たちは四人でよく出掛けた。
元々仲のよかった四人だから、それは自然の流れだったけど、ミユキとヒロシ君がいちゃついているのを見るのは辛かったし、なによりユウジと手をつないでいる自分をヒロシ君に見られるのが嫌だった。

だから、私、ちょうど一年だったクリスマスの今日、みんなとお別れしようと思う。
去年のクリスマスは後悔のクリスマスだったけど、今年のクリスマスはその後悔の始末を付けるクリスマスにする。
もうこれ以上、ヒロシ君にユウジと私が一緒にいるところを見られるのは辛いし、ユウジとのセックスも、するたびに悲しく後悔するようになっていた。
でも、今さら「ヒロシ君が好きだった」なんて、やっぱり言えないから。
ユウジにだけ「さようなら。私のことは忘れて」ってメールを出して、実家に帰ることにするよ。
幸い、実家はここからは遠い。
みんなも知らない田舎の町だ。
大学には、こそっり昨日、休学届を出した。
少なくとも一年、私はココには帰ってこない。

戻ってくるのは次のクリスマスだ。
きっとその頃には、私のヒロシ君が好きだって気持ちも薄れてるかもしれないし、ヒロシ君はミユキと別れているかもしれない。

去年の今日、私はなんでユウジを受け入れてしまったんだろう。
そう、そのままユウジを好きになればよかった。
いい人なんだし。
でも、私の中には、あの日のヒロシ君がミユキにしていた愛撫をどうしても受けたい、って気持ちがずっと消えなかった。
もし、あの日、ヒロシ君とミユキのセックスを見なかったら、忘れられたかもしれないな、って思ったりする。

恋愛は気持ちだけじゃない。
どうしても私はヒロシ君の硬いモノを受け入れたかったのだ。

まあ、今さらなにを言っても仕方ない。
次のクリスマスには、一年前に戻れますように。


―タイムマシンにお願い。






biihnnma.jpg






(BGM:John Coltrane「Like Someone In Love」from「Lush Life」)
→バラードである。
テナーサックスが歌ってるような、なんだかロマンチックである。

箱鬼


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(創作です念為)

もういい。
仕事をクビになって、俺は自暴自棄になっていた。
貯金もない。
来月までの家賃は払ってあるが、その先の見通しはない。
今さらまた職安に行かなきゃならないのかと思うと、うんざりだ。

「真面目に働けばいいことがある」なんて嘘っぱちだ。
生活は楽になりゃしない。
毎日毎日、仕事に行って、散々こき使われて疲れ果てて眠る。

俺には手に職がない。
何の取り柄もない。
それでも、東京には出てきたかった。
田舎はうんざりだった。

母ちゃんは行くなと泣いたけど、でもそれを振り切った。
今さら、そんな簡単に戻れない。

どうしたらいいのかわからなくなった俺は、自分の降りる駅で降りずに、そのまま終点まで行ってしまおうと思った。
そこまで行って、どうなるものかわからなかったが、それは今の自分にふさわしいように思えた。

駅を降りたのは数人。
小さな駅だった。
そういえば、故郷の駅もこんなだった。
いや、故郷の駅には駅員もいなかったな。
ここにはまだギリギリ駅員がいる。

駅を降りると、観光案内図、というのがあった。
ボッと見てみるが、大した観光ではない。
山の中の小さな滝、地蔵、それらをつなぐハイキングコース。

辺りは暗くなっているから、今からこのハイキングコースに行くのはちょっとやだな、と思ったが、そう思った自分に苦笑した。
今の俺には何もない。
もう進むしかない。
ここまで来たんだ。
後は野となれ山となれ。
行ってやろうじゃないか。
どうせ、他には何もない。
駅前に、コンビニ風の酒屋があるだけだ。
それももう閉まっている。
何があっても、死にはしないだろう。
寒い季節というわけじゃない。

この期に及んで、それでも一応この観光案内図でハイキングコースを確かめている自分がまたおかしくも思えた。
時間は二時間くらいで帰ってこれるコースらしい。
特になにもない、平坦な道といった印象だ。

そして俺は歩き始めた。

歩き始めていろいろなことを思い出していた。

だいたい、仕事先の上司、ヤツが自分の失敗を俺になすりつけたんじゃないか。
俺の失敗だったのか?
業績悪化で俺がなぜクビを切られなきゃならなかったんだ…。

付き合っていた彼女とも二ヶ月前に別れたんだった。
疲れて会えない、なんて二回も三回も続けていれば、そりゃそうなるよな。
でも、彼女は俺のことをなにも思ってなかったのかもしれない。
俺はそばにいて欲しかったのに…。

故郷の同級生。
きっと挫折して帰ってくるよ、なんてよく言ってくれるな!って軽口叩いていたけれど、その通りになったよ…。

そんなことを考えていると、二股に出た。
観光案内図にはそんなところはなかったハズだが…。
どちらも同じような道幅に見える。
遠くの方は見えないからわからないが、どちらも正しい道のように見える。

引き返す?いやいや、ここは勝負だ!
そういう小心なところが俺のダメなところなんだ。
上司にもガツンと言えればよかったんだ。
彼女にもきちんと話すべきだった…。

俺は右の道を選んだ。
道の様子を見ていると、あながち間違っているようには思えない。
獣道というわけではなく、きちんとした道に思える。

すると、急に視界が開けた。
薄暗い月の光にぼやっと浮かんだのは、巨大な箱だった。
箱というか、3階建てのビルくらいの大きさがある。
でも、これには窓がない。
そして、どうも真っ白のようだ。

いわゆる発電とかの施設なんだろうか。
それにしても、なんの看板もない。
だいたい、こういうのは周りに柵とかがあるもんじゃないのか?

ぐるっと後ろ側に回ると、月明かりがその側面にまっすぐ当たった。
その上部に、なにか書いてある。

目をこらしてみると、それは漢字のように見えるが、ワケのわからない字だった。
どっか「欄」と読めなくもないが、違う字だ。
いや、そもそもコレは漢字なのか?

なんだこれは。

この山の中に、何が必要でこんなモノを作ったのだ?。
この中にはなにがあるのだ。
そもそも、こんなモノ、観光案内図にはなかった。
もしや、あの二股を左だったのか?
いや、だとして、コレはそもそもなんなのだ。

回ってみたところ、入り口らしきモノもない。
あるのは、そのワケのわからない「漢字のようなモノ」だけだ。

入り口を探していると、月が雲に隠れ、あたりは真っ暗になった。

そして、再び雲から月が顔を出して、この箱を照らした時、その壁には、巨大な顔が浮き出ていた。
その顔は俺を見つけてニタ~ッと笑うと、どこからか巨大な腕が出てきて、俺を掴んだ。
まるでキングコングに捕まれた美女だ。

そしてその顔が言った。
「見~つけ!じゃあ、今度はお前の番な!」



そして俺は箱になった。
まだ誰も来ない。






shugeiz.jpg

(BGM:Gasatsu Rude Beats「Freedom」from「Hyakumosyouchi!!」)
→バンドを続けてくれていてありがとう。
最近になって再結成で出た一作。
とにかく歌詞がかっこいいし、歌い方もなんだろう、もうかっこいいの他に言葉がない。

自問自答


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(創作です念為)

【1】

仕事は順風満帆に見えるだろう。
でも、内心は焦っている。
焦りをみんなに隠している。
俺を頼りに、部下たちが動いてくれる。
部下の突き上げがあって、俺は上司にもかけあう。
他の部署じゃなくてよかったと、部下たちは言ってくれる。

本当は、こんなハズじゃなかった。
きつい。
ノルマを達成することがこんなにキツいとは思わなかった。
課長になって、最初は手当が付くからいいかと思ったけど、こんなに部下を鼓舞するのが大変だとは思わなかった。

おまけに上司とは板挟み。
このままでは、よっぽどの成績を上げなければ上には行けない。
前までいた課長のように、ノルマがこなせなくて左遷されるのはごめんだ。
俺にはローンもある。
今さら離島の営業所には行けない。

毎晩のように、部下と付き合い、悩みを聞いてやり、きっとイイ上司になってるんだろう。
でも、本当は、俺は俺のために今必死にやっている。
俺の評価のためだ。
そのためには、部下を大事にして「働かせ」なければならない。

家に帰っても、女房と話すことが辛い。
女房のことは愛しているし、家のことや娘のことをやってくれる。
イヤだと思うところもない。
人並み以上に美人でもある。

でも、疲れ切っている。
もう、人の話が聞けない。
毎日聞く娘の話もそこそこに、風呂に浸かって居眠りしてしまう。
女房に起こされて寝室に行く。

明日も朝早くから家を出なければならない。
頭の中で誰かが言っている。
「もう限界だ」

次の日の朝、それでも這いずるようにベットから起き上がる。
俺は本当は何がしたいんだ。
毎日毎朝それを自問自答している。
仕事か?
この家庭を守りたいのか?

満員電車に揺られて、若い部下に、「俺の若い頃はもっと頑張ったんだ!」と突き放して怒鳴ってしまおうか、とふと思う。
そうだった、自分が若かった頃は、こんなに上司が話を聞いてくれることはなかった。
でも、それがイヤだったから、聞ける上司になろうと思ったし、実際、そうやったら業績は他部署をおさえてトップになった。
この評価は崩したくない。

でも、新入社員の彼はどっか甘えていないか。
あんな仕事の仕方でいいのか?
靴をすり減らして営業をしろと檄を飛ばすべきなのか。
…いや、それでは今の業績は守られないだろう…。

俺は何をしたいんだ…。
ああ、怒鳴り散らしたい!
違う違う!
俺がどんだけ削られてると思ってるんだ!

お前らの笑顔のために。
お前らが気持ちよく仕事をするために。
お前らが生活できるようにするために。

満員電車から吐き出されて、俺は他の俺と一緒に階段を上る。
いつもなら下を向いて呑気に上がっている階段。
ふと、顔を上げて疲れ切った隣の男の顔を見た。

俺だった。

右隣の男も俺だった。
前も、後ろも…。

その時、切れた。
電池が切れるように、俺は動けなくなった。

その時、後ろから肩を叩く女がいた。
部下の女だ。

【2】

私たちの上司はいい人だった。
部下からの信頼は厚かった。
私たちは、他の部署じゃなくてよかったと本当に思っていた。
そして頑張った分、きちんと業績も上がった。

ある日の通勤の駅の階段の前に、その上司がいた。
私は正直、彼にちょっと好意を持っていたけれど、彼には奥さんもいる。
子どもさんもいて、写真も見せてもらった。
かわいい娘さんだ。
その関係を壊すようなことはしたくなかったし、きっと彼はそんなことはしない。

彼は階段を上ることもせず、ただ立ち止まっていた。

私は具合でも悪くなったのかと思って彼に声をかけた。
「どうしたんですか?」
彼は一瞬私を見て、手を掴んでもう誰も上がってない階段をどんどん登り始めた。
「え?え?」
困惑する私を他所に、彼は会社とは反対口に出ると、すぐ近くのシティホテルに私の手を掴んだまま入った。
急な展開にビックリしたけど、どこか私は期待もしていたのだろう。
拒否することはしなかった。

彼が本当は疲れているなんてこと、彼の横顔を見続けていたらわかる。
本当に彼は私たちのために必死になってくれている。
そんな気持ちに私は応えたかったし、私でよかったら、いつでも彼を慰める役になりたいと思っていた。

部屋に入ると、彼はいきなりズボンを脱いで、いきり立った男根を私にくわえさせた。
私はあまり経験はなかったが、ちょっと見た動画などを思い出し、見よう見まねでそれに従った。
十分くらい、私のアゴが疲れてしまった頃、彼は口の中でいった。
そして、そのままベットに仰向けになると寝てしまった。

私は幸せな気持ちになって、彼のモノを飲み込んだ。

【3】

その日は彼は会社を休んだ。
私が連絡を受けたと言って、会社にも連絡した。
私が行かないのは不自然だと思い、寝ている彼の元に置き手紙を置いて会社に遅刻して行った。
「嬉しかったです、課長」と、私は手紙に書いた。

【4】

その翌日、彼は出社してきた。
いつもの通りの彼だった。
私はホッとした。

そして、私のデスクのそばに来ると、そっと耳元でこう言った。
「今すぐ屋上に行こう。またして欲しい」

私たちは時間差で誰もいない屋上に上がると、言葉を交わすこともなく、昨日と同じように私は彼のモノを口にふくんだ。
そして、彼が果てたあと、それを飲み込むと、彼は頭をなでてくれた。
私はとても笑顔だったと思う。

その関係はしばらく続いた。
非常階段の踊り場で、誰もいない会議室で。
私は彼と秘密が持てたのが嬉しかった。

【5】

いつまでこの関係が続くのだろう。
私は彼を口以外で受け入れていない。
彼もそれ以上は望まない。
でも、彼の横顔から、ちょっと疲れが取れているように見えた。

それはとても嬉しかったけれど、時折鏡で見る自分の顔は、どこか疲れていることに気づいた。

私は何をしたいんだろう。
私は毎日自問自答するようになった。







(BGM:モルグ「ゼロの詩」from「MOLUGU ROMANCE」)
→ソノシートなんですけど、まあぎっちりいっぱい詰めていたな。
この曲はハードコアの波の中にあって珍しくわかりやすい感じで、しかもラブソングで。
ちょっと驚いたのを覚えている。

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