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スーパーちんどん・さとう

Author:スーパーちんどん・さとう
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人として?のバレンタイン企画


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よろしく哀愁!


てなことで。

にじ屋バレンタイン企画というのがあって、店員さんにチョコをください、という。
けっこうこれ、ガチで。
悲喜こもごもありまして。
2/14をもって、この企画は終了したわけですが。

今年は、井上と市丸が同率一位だったらしく。
ま、市丸は目立ちますから、そうなりますが、みんなはちょっとそれが納得いかない。
なぜなら、やっぱ仲間内では市丸は時に逆ギレするし、まあ、逆ギレしなければいいやつなんだけど、みたいな。
なんか、まあそういう位置なんで。

ノブなんかは、そんなこんなで「来年、俺は一位のバレンタインになる」と言っています。

それにまあ、なんか市丸はお客さんに盛んに「チョコちょうだい」みたいなことも言うらしく、それもみんなは気に入らない。
ま、でもまあ、そこは仁義なき戦いなんで、しょうがないとは思いますけど…。

今回の大躍進はコンさん。
コンさんがなんと二人の同率一位の次につけたらしく。
いや、なんかいいね。

「モテ期到来か?」みたいなこと言ってますけど、いや、そんなことないと思います(冷静)。
きっと、コンさんを普通に判断する目が、にじ屋のお客さんに備わってきたのではないか、というね。
とはいえ、虹の会に来る以前はまったくチョコとは縁がなかったというコンさん。
そういう意味でね、いや、よかったじゃないですか。

そりゃね、チョコがすべてじゃないですが、俺の友人には2/14が誕生日というヤツもいますから、まあなんともこれ…。


というわけで、この企画について、ちょっとこの前発行の機関紙に書きました。
それを転載します。


 あ、この企画にエントリーしてない佐藤です。
 というのも、あまりにじ屋にいないからです。
 負けちゃいます。
 それはやっぱ悔しいし。

 この企画は、数年前からやっていて、俺はとてもいい企画だと思っています。
 そもそも、「店員の名前を覚えてもらおう」って話から始まっていて。

 にじ屋は、知的障害だったりの連中が働いている。
 その名前、お客さんに、もっと覚えてもらいたい。

 いい企画じゃん。

 相模原の事件では、被害者の名前すら出なかった。
 「障害者」というひとくくりで終わっちゃった。
 冗談じゃないよね。

 そんなことやってたら、いつまでたっても、「障害者はいらない人だ」ってひとくくりにされ続けちゃうよ。

 そうじゃなくて、ウチの市丸は、にじ屋の市丸、として、地域の中で、お客さんの中で、もっともっと存在感を増していかなきゃいけない。
 そういえば、市丸と一緒に近所にビラを配っていると、よく声をかけられる。
 「今日はビラか!頑張れよ!」ってな感じで。
 今の誰?って聞くと「にじ屋のお客さんの◯◯さん」って市丸は答える。
 きっと◯◯さんにとって、市丸は「障害者」ってひとくくりじゃなくて、「にじ屋の市丸」って認識してもらえてるんじゃないか、ってそんな気がして、俺は嬉しいんだけど。

 ま、それをもっともっと先鋭にしたのがこの企画だよね。
 イマドキ、へなちょこ作業所の機関紙なんか見ると、機関紙ですらもう写真も出さないし、名前も出さない。
 プライバシー?
 え?
 …いや、ごめん、極論言うけど、コロされたいの?

 今こそ、地域の中で、「障害者ひとくくり」じゃなくて、「名前」で呼んでもらえるようにならなきゃダメなんじゃないの?。

 「障害者」じゃなくて「人」として。

 それが、俺は最大の防御だと思ってるんだけど。
 あの事件で、障害者を取り巻く状況、関係者含め、施設も、もっと真剣に防御を考えなきゃ。

 にじ屋バレンタインは、最大の防御だと思ってる。






(BGM:谷啓「プンプン野郎」from「谷啓/谷だァー★ガチョ~ン!!」)
→「ダメなおいらさプンプン、どうにもならないプンプン」
…う~む。
もうここまで意味がない、というのもすごいと思うんだよね。
それでいて、全体的に谷さん風の歌詞と曲に仕上がってる、というプロの仕事。
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お花畑は誰だ?


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虹の会本体の機関紙で時々、年に数回か「鎖の色を自慢し合う奴隷にはなりたくない」という、ウチの機関紙の中ではかなり異色の政治色の強いモノを書いてるんだけど、4月号にも書いたので転載。

***************

 以下は、共謀罪に関する法務省と議員とのやりとりを書いたとあるツイートの一部である。

 「ある集団が銀行強盗することを計画・相談し、下見をしたが、「悪いことはやめよう」と、みんなで思い直して実行しないことになった。罪になるか?と法務省に尋ねたところ、「下見をした段階で犯罪が発生しておりますので摘発されます」との回答…」

 …バカか…。
 バカなのか…。


 ま、でも、安倍政権は、前にもトイレの「安倍政治を許さない」的な落書きを発見から一日くらいで犯人逮捕してるからね。
 そんなの見つかるのかね、捕まるものだろうか、と思っていたら、マジ捕まってるから恐ろしい。
 器物破損、という名目だけど、まあ明らかに「安倍さんの悪口だから」ってのは明白だわな。
 だって、落書きなんて探せば一駅に一カ所以上、いや、もう山ほどある。

 方や現政権とお友だち、NHKの委員もやったことのあるヘイト作家が「北朝鮮が攻めてきたらテロ組織を作って国内の敵を攻める」みたいなことを公言してネットに書き込んでもなんの問題にもならない。

 恐ろしい世の中である。

 主義主張がどうこう、どっちがどっち、いやそんなのはとりあえず置いておいたとしても、この「恣意的な感じ」、「政権に反対するモノは許さない」、という雰囲気が怖い。

 森友や加計学園の問題では、首相と懇意にしていた友達に便宜が図られている。
 方や、生活保護が止められて、失意の底で、その決定翌日に自殺している人もいる。

 つまりだね、今の日本は、「首相と懇意にしていたら捕まらない」し、「首相と友達、もしくは首相の夫人と友達だったら国有地は8億円惹いてくれる」。
 逆に、現政権に文句を言う人は逮捕、自殺に追い込む。

 8億円もらった人も、首相に反旗を翻した瞬間に「しつこい人」呼ばわり。
 なんか捕まるんじゃないか、って話もある。

 沖縄では選挙で基地反対が明確に住民の意思として出ているのに、政権中央のやり方に「反する」が故に、反対派、というか、まあそれが沖縄住民の主流派なのに、そのリーダーは微罪で一ヶ月拘束されたりしている。
 それだけじゃない、基地で反対運動をしている人を「土人!」と言い蔑む機動隊を、現政権のお仲間の大阪の首長は「ご苦労さん」なんて言ったりしてる。

 メチャクチャだ。

 これさ、よく考えてみ?
 中世だ。
 封建主義だ。
 領主様に取り入って、ようやっと生きていく、みたいな。
 近代国家でもなければ、民主主義の国家でもない。
 「お仲間に優しい政治」なんてのは、中世なんですよ。

 で、冒頭に書いた共謀罪。
 ま、治安維持法の再来です。

 けど、「一般の国民には関係ありません」なんて言ってる。
 テロリストに対するモノです、なんて。
 でもさ、そもそも最初の自民草案では、テロって言葉一言も入ってなかったんですよね。
 つまり、そもそもテロリストに対するモノじゃないんだよ。

 先の大戦前の治安維持法も、最初は「一般の国民には関係ありません」って言って始まったんだよね。
 それは当時の新聞を見れば書いてあります。
 なのに、「今回は違う」と言い切れる脳天気さで賛成する人がいるっていうんだから驚きだ。
 知らないとは恐ろしい。

 いや、その前に、先に書いたように、現政権になってから、もう近代国家、先進国でもなんでもない、中世国家に落ちぶれてるんですよ、日本は。
 で、その中で、この共謀罪だけが、民主的な、国民を尊重する法案の運用がされると誰が信じましょうか?
 お仲間は救う、でも反対してきたヤツは、たとえ便所の落書きでも取り締まる、って、今の路線が「正当化」され、助長され、「落書きしようぜ」って「話し合っただけで」逮捕されるようになるのはもう既定路線だわなあ…。


 なんか、数日前のニュースで、どこだかの公民館でのヨガ教室で、講師が反核のTシャツを着ていたことを理由に解雇された、という話があったそうで。
 別にヨガの最中は着替えてたらしいですけど、通勤に着ていた、と。

 校則か?と。

 こんな状況ですから、当然、この共謀罪が、ついに言いたいことも言えない「密告社会への幕開け」になるんでしょう。
 そのための共謀罪、ということ以外に、彼ら政権側に何か目的があるとでも思いますか?

 そして、これでもまだ、あなたは「今は戦前じゃない」と言い切れますか?  




(BGM:Bird「これが私の優しさです」from「Mindtravel」)
→なんかフューチャリングなんだな、これ。
それにしてもすげえタイトル。
こういうのは目を引くのでイイと思うのよね。

「まるまって」


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ちょっと昔の原稿が出てきたので。
機関紙の連載で、書いた創作モノ。


 また、彼女のいる人と寝てしまった。
 寝息を立てて、私の隣で向こうを向いて寝ている男は、後輩の彼氏だ。
 酒の勢いも、あった。
 正直、男に抱かれたかったのかもしれない。
 でも、私はきっと、この男のことを好きではない。

 毎晩見慣れた真っ暗な部屋の天井をながめながら、私は、どうしてこうなったのかをもう一度考えた。
 私には、この部屋に時々やってくるこの男ではない、男がいる。
 その男には遠距離恋愛でつきあい続けている女がいる。
 なのに、いつも私は、その男を部屋に上げてしまう。
 コトが終わった夜中に、その男の携帯が鳴ることがある。
 男は布団から出て、台所の隅にいって、小さな声で電話に話をしている。
 きっとその彼女だ。
 だから私は、寝たふりをしてしまう。
 ちいさく、まるまって。

 そういうとき、私は、いつもちいさくまるまっちゃうみたい。
 なんでか、って思っていたら、この前テレビで飛行機事故のことを特集していたのを見て、納得した。
 飛行機事故なんかで、ちいさな幼児は助かることが多いという。
 それは、下手に受け身をとろうとしたり、もがいたりするのではなく、自然と胎児のような形にまるまるからだって。
 そう、その形は、きっとショックを和らげてくれるんだな。

 その遠距離男が今日、この部屋にやってこないことは、わかっていた。
 だって、彼女が東京に戻ってくる日だから。
 そうだった、だから、飲みに行ったんだった。

 最初に私が身体を許してつきあった男は、すぐにカッとなる男だった。
 ちょっと私が仕事場の飲み会に行って携帯に出なかっただけで烈火のごとく怒った。
 いつだったか、そんな飲み会から帰ると、その男の車がうちの前に駐まっていた。
 ああ、やばいな、と思った。
 私が近づくと、その男は運転席から降りてきた。
 金属バットを持って。

 その後の記憶ははっきりしないけれど、結局その男は私の悲鳴に驚いた近所の人が取り押さえてくれて、捕まった。
 私は引越をし、職場を変え、新しい生活をこの部屋で始めた。

 新しい職場といっても、ただの派遣の事務だ。
 だからどこに行ってもそうそう変わらない。
 毎日、残業をするでもなく、私は正社員のあいだをぬって五時過ぎには会社を出る。
 時折、飲み会があったりはするけれど、華やかな女性社員や派遣社員には、たくさんの若い男の社員が集まってはお酌をしているけれど、私はどっちかというと、そこからは外れている。
 私よりも十くらいも年の離れた課長なんかが、彼氏はいるの?なんて聞いてくるくらいだ。
 ポマードのにおいと、酒に酔った中年の素行に、いつも辟易して部屋に帰る。

 華やかな女性社員は、私を「顔の作りはすてきですよ」というけれど、それって、イけてない、ってことだよね。
 いまさら化粧品売り場に足を踏み入れるのも、一人じゃなんだか気が引ける。
 そうやってるうちに、なんかしわも増えた気がする。

 私、いつも来るあの遠距離男と別れたいな。
 あ、そうかこの今隣にいる男が、後輩と別れて私のところだけに来てくれれば、私、別れられるんだ。
 もしかして、この地味な私を誘ってくれたということは、もしかしたら、この男は元々私にちょっと気があって…、うまくいくなら後輩と別れたいと思っていたのかもしれないな…。
 たくさん舐めてあげたし…、私から離れたくないって、思ってくれてないかな…。

 …。

 …と、そんなことを考えていたら、いつの間にか眠ってしまったらしい。
 男が先に起きていた。
 そして、私にこう言った。
 「あのさ、いろいろいっぱい考えたんだけれど、あなたのこと、僕、友だち以上にやっぱり思えないから…、ごめんね。」
 ああ…。
 いっぱい考えたんだ…。
 …昨日考えた「このままここにいて」、なんて台詞言っちゃったら、この男のいっぱい考えた「一晩限りにしよう」って台詞、台無しにしちゃうな。
 私は、なんだかそれが悪い気がして、昨日の晩に考えたことはなかったことにして、背中を丸くして、こう男に言った。
 「うん、私もちょうどそう思ってたんだ。」

 


(BGM:谷村新司「三都物語」from「21世紀」)
→わあああ~CMで聞いたことある!
ここまでサビがハマッてると、なんかAメロの付けたし感がスゲエ…。

恐怖 (創作よ)


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私は今、女房の股間を拭いている。

彼女は、失禁をしても、そのまま家の中を歩き回ってしまう。
だから、気づいた時に、すぐに服を着替えさせ、股間や足を拭かなければならない。


数十年前、私と彼女は、社内恋愛の末にゴールインした。
社内のムードメーカー的存在だった彼女を射止めたオレを、同じ課のなかまたちは大いにからかってもくれたが、大いに祝福もしてくれた。
ちょっと晩婚だったこともあったのだと思う。
オレと彼女はその時もう30をとうに過ぎていた。

小さいながらも郊外に家を建てた。
子どもが生まれ、猫の額ほどの庭だったが、子ども用のブランコを置いてみたりもした。

幸せだった。

夏の日が照りつける庭で、子どもと女房がビニールプールで遊んでいるのを見るのが好きだった。
穏やかな日には、近くの公園で弁当を持って三人で座ったりもした。

今思い出せば、それらの日々はとても暖かく、でも、セピア色にも見える。


どこでどう歯車が狂ってしまったのだろう。

何があったわけじゃない。
事件はなにもなかった。

子どもが中学になって女房も働くことになった。
彼女がやりたかった、輸入雑貨の店を友人たちと開くという。

私は、最大限、応援しようと思った。
家事も分担した。
彼女も、私が遅い時などは帳尻をつけて家事をやってくれた。
もちろん、娘も協力をしてくれた。

本当にできた娘で。

だから、何があったわけじゃないんだ。


娘が大学に入る頃、私も独立した。
仕事は順調だった。

けれど、子どもが大人になっていくにつれ、家事そのものの負担は減っていく。
ごはんをいちいち作らなくても、子どもは自力で何とかする。
バイトだ、飲み会だと、友達とも仲良くやってるらしい。

そうなると、私たち夫婦は特に会話を交わさなくても生活が成立するようになった。

私の仕事は夜間に打ち合わせだったりが多かったから、昼まで寝ていたり、そうすると、もう女房は出て行った後。


なんだか、互いが互いを必要としていないことに気づいてしまったのかもしれない。
仕事の愚痴も、彼女に話すこともなくなった。

よくよく考えてみたら、女房にはイヤな癖があった。
掃除がうまくできない、部屋の中はけっこういつも荒れていた。
新聞は散乱していたし、ホコリがあっても彼女は気にしない。

それでも、そういうもんだ、と思っていたけど、実は自分はそれはイヤだったな…。
そう思ってしまったら、あとは堰を切ったように、いろんなことが浮かんできてしまった。

彼女がすぐに「値段のことをいう」のも、イヤだった。
「これ高いよ」「いくらなの?」というのが、彼女の口癖だった。
子どもにもそれをいうのがイヤだった。

一度考え出すと、彼女と話さない毎日がありがたく、家で遭遇してしまうたびに、なにか二人の間に一枚膜があるような錯覚にとらわれた。


ある日、オレは決心をした。
もう、一緒に暮らす意味がない。
人生80年というではないか。
お互いにその方がいい。

彼女にそのことを話すのに、ずいぶん勇気がいった。
でも、それを話すと、彼女も私と同じようなコトを言った。
「どっちが言い出すかな、と思ってたんだ」とも。


そして、二人で決めた。
今すぐだと、子どもの就活とかに影響があるかもしれない。
だから、子どもが独立して、仕事を始めて、落ち着いたら離婚しよう。
おそらく、あと5年くらいだろう。

それからは、逆になんか彼女とも普通に話せるようになった。
彼女も溜めていたモノをはき出したようにスッキリしていた。


そして3年ほどがたった頃。
あと二年。
彼女はちょっと行動がおかしくなった。
忘れ物をする。
モノの場所が分からない。

どうも仕事でもそうらしく、彼女の仕事仲間から「ちょっと病院に行った方がいいかも」と言われた。

病院に行くと、彼女は若年性認知症だという。
そして、その症状は、一気にそこから加速した。


今日で二人が決めたあの日から5年。
予定通り、娘は大きな企業に就職が決まり、今は就職先の隣の県で一人暮らしを始めた。

けれど、今、女房はもう、私のことがよく分からなくなってしまった。

時々は思い出すけれど、それは長続きしない。
二時間もすると、「誰だっけ」という顔をする。
そしてまた思い出す。


失禁がはじまり、彼女の股間を拭くようになって、そのたびに、私は彼女を殴りつけたくなります。
でも、長年、形だけでも一緒に暮らしてきたという情がそれを止めます。


私は今、出口をなくしてしまったような気持ちで人生を生きています。





(BGM:「恐怖の人間カラオケ♪サウスポー~迷い道~与作~絶対絶命」fromYOUTUBE)
→覚えてますね、これ。
こんなのあったわ。
今聞くと、ちょっと笑えないかな~。
面白くしようとしてる感じの声がちょっとイタイ…。
でも、当時はおもしろかった。
実際、中学の時になんか文化祭とかでやった気がする異邦人。

我が輩はクマのヌイグルミである。名前はまだない (明日のライブ新曲のある意味プロット・創作よ)


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さあ、みんな。
オレはクマのぬいぐるみだ。
布で出来た皮膚で生きてきた。
誰かに動かしてもらわなきゃ動けない。

オレは桃子が大好きなんだ。
桃子はとてもいい匂いがする。
抱かれると、落ち着く。

それに、いじめっ子の籐吉どもがオレを踏みつけたら、助けてくれる。
だから、オレは桃子が大好きだ。

オレは学童保育所というところにいる。
桃子も、そして憎き籐吉たちも、ここに夕方に通ってくる。

でも、最近、桃子はオレと遊んでくれなくなった。

数年前までは、オレを子どもに見立てて友達のノゾミたちとごっこ遊びもしてくれたけれど、今は通りすぎる時にアタマをなでてくれるくらいになってしまった。

オレはもう時代遅れなんだと、誰かが言ってた。

そう、オレはお婆ちゃんが作ってくれた布で出来たぬいぐるみだ。
今流行のキャラクターでもなければ、細かい部分は動かない。

よだれかけも薄汚れてしまった。
いや、ともすれば、脇の下はちょっと綿が出ている。

籐吉たちは、その綿を引き出そうとしたりするから、オレはキライだ。
でも、桃子は籐吉たちからオレを取り上げて、綿を指でギュッギュともう一度深くつめてくれる。
その時、オレは得も言われぬ気持ちになる。

桃子の指が、オレの中に入ってくる、その瞬間、そしてその指が出入りする時、オレは天国に行くような気持ちになる。
オレも、桃子に入りたい。
そして、互いに出入りして、二人で天国に行きたい、と思う。

でも、オレは自分で手を動かすことはできないんだ。

そして、そんなとき、桃子はすぐにオレをいつもの棚に戻すと、籐吉たちを追い回しに行く。
きっと、籐吉を叱ってくれてるのだと思う。


ある日、桃子は誰よりも早く、この教室にやってきた。
そして、久しぶりにオレを抱き上げて、俺の目を見て言った。


ねえ、クマくん。
私ね、籐吉君のこと、好きなんだ。

なんか、いつもクマくんが藤吉君たちにいじめられてくれるから。
わたし、なんか、その藤吉君たちを追っかけたりして、なんか楽しいんだ。

ありがとう、クマくん。


…え?。
やめてよ…。
やめてよ桃子。


今日ね、藤吉君にバレンタインのチョコあげるんだよ。
ああ見えてね、藤吉君、もてるから。
こっそり渡したくて。
早く来て、って言ったの。
もうすぐ来ると思う。
応援…


だめだ、桃子。
もう、だめだってば。
それ以上、言わないで…。
オレ、オレ…。

オレには桃子しかいなかったのに!

神様!オレを動けるようにして!
オレを喋れるようにして!
お願い!
一生のお願いだから!




…さて、どうなったと思う?
あははは。
その通り。
神様はオレの願いなど聞いてはくれなかった。
そりゃそうだ。
オレ、ぬいぐるみだもん。
あははははは。
桃子はその日、真っ赤な顔をした藤吉と手をつないで帰って行ったよ。

で、オレはまだここにいるってわけ。
いくつかの季節が巡って、桃子も、藤吉もいなくなって、また新しい子たちが来た。


そして最近は、もう何も感じなくなっちゃった。
隣のキャラクターのぬいぐるみと同じように、何も考えなきゃ、悲しいことも起きないんだってわかったから。


オレの気持ちなど、誰も知らないし、誰にも伝わらない。
せめて、一人でも、俺の気持ちが分かってくれる人がいたらなあ。
オレにも気持ちがあるって、分かってくれる人がいたらなあ。

でも、そんな人はいないから、死ぬこともできないオレは、今日も死んだように生きてる。
いや、今日がもう今日だったのか、昨日だったのか。
作ってくれたお婆ちゃんのことも、桃子のことも、最近はよく分からなくなってしまった。




(BGM:爺-POP from 高知家 ALL STARS 「高齢バンザイ!」fromYOUTUBE)
→まあ、高齢化社会ですよ。
高齢者ががんばればいいんじゃん、という感じなんですが、ちょっとこの曲は歌詞の哀愁があれだな…。
もっと突き抜ければよかったと思うけど、大阪のオバチャーンのテーマに比べると大人しすぎる!

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