FC2ブログ

プロフィール

スーパーちんどん・さとう

Author:スーパーちんどん・さとう
ちんどん太鼓担当

@SMChingDongSATO twitter

Calendar 1.1

<
>
- - - - - - -
- - - 1 2 34
5 6 7 8 9 1011
12 13 14 15 16 1718
19 20 21 22 23 2425
26 27 28 29 30 31 -

全記事

Designed by 石津 花

カテゴリ

最新記事

最新コメント

リンク

検索フォーム

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

最新トラックバック

QRコード

QR

引っ越しのトラック


【スーパー猛毒ちんどん動画】
スーパー猛毒チャンネル  ★  YOUTUBE
知的生涯PV  ★  知的生涯ライブ動画他

【リンク】
スーパー猛毒ちんどんフェイスブック  ★  虹の会本部HP
虹魂的障害者自立生活  ★  虹の会本体ブログ
ミツのホッサ日記PLUS  ★  ツイキャス!!

虹の会では、専従職員を募集しています。社保完。詳しくはこちら





(創作です念為)


それは中学生の時だった。
深夜ラジオを聞くようになり、自分の部屋で夜中まで起きていることが多くなったからだと思う。
それまでは夜中に起きていることなんかなかったから。

それは、向かいの家だ。
向かいの家に、引っ越しのトラックが横付けされていた。
僕の机の前にある窓から隣の家の玄関が見える。
そこに、テレビCMでも流れている、町でもよく見かけるロゴのトラックがいるのだ。
夜中に引っ越しのトラックなどおかしいな、と思ったけれど、その時は「止まってるな」というくらいの気持ちだった。

そして翌朝、トラックはいなかった。
いつものように、学校に行く時、向かいの家のおじいちゃんは玄関を掃いていた。
引っ越しをしたわけではなさそうだった。

思い出してみれば、人が作業をしていた気配もなかった。
音もしなかったし、声も聞こえなかった。
まあ、考えられるのは、夜中にあそこに引っ越し屋さんが駐車していた、という可能性。
どっかに行くのに、時間調整で止めていただけだったのかもしれない。

ま、あまり深くは考えなかった。

その夜、深夜ラジオがCMになってトイレに立った時、ふと窓を見るとまた引っ越しのトラックが前の家の玄関に横付けされている。
今度はよくよく観察してみたが、やはり人が作業している気配はない。
そもそも、隣の家の玄関は空いてない。
運転席はちょうどここからでは見えないが、やっぱりこれは引っ越し屋さんのたまたま駐車だろう。

いや、しかし、こんな細い住宅街の路地が引っ越し屋さんの駐車する場所になっているとはちょっと考えにくいな、と思った。
これ、車が来たらすれ違えないじゃないか。
なんならもっと大きな道で駐車すればいいのに、と思ったが、まあなんか事情があるのかもしれない。

その日もそれ以上は考えずに寝た。

翌朝、いつものように学校のために家を出ると、向かいの家の前にはまだ引っ越しのトラックがいた。
これは運転席を見るチャンスだと思い、ちょっと高い運転席を覗いてみた。

そこには…

隣の家のおじさんとおばさんが前を向いて座っていた。

虚を突かれて、思わず「え?!」と声を出したが、おじさんとおばさんはずっと前を見たままだった。
僕は怖くなって、とにかくなぜかおじさんとおばさんに「気づかれちゃいけない」と思って、隠れるように学校に向かった。

いや、なんなんだ。
どういうことだろう。
見間違ったか。
たまたまおじさんとおばさんに似た人が引っ越し屋さんだった?
いや、引っ越し屋の制服でもないし、いつもの普段着だった。
本当に引っ越しで、一時トラックに乗っていた?
いや、そんなことはないよな…。
それに、窓からのぞいた僕の顔を見もしなかった。
それもなんかおかしいよな…。

家に帰るのはちょっと怖かったが、家の前まで来るとトラックはなかった。
ちょっとほっとした。
もしかして、これはすべて見間違えだったんじゃないか。
そんな気がしてきた。

家に入ると、台所で音がする。
ただいま、と言って台所に入ると、まな板に向かっていたのはおばさんだった。
おばさんは振り返ると「おかえり」と僕に笑顔を向けた。

え?どうして?
ウチのお袋に何かあったの?。
お袋は?
なんでおばさんが家にいるの?

矢継ぎ早に涌いてくる疑問をおばさんにぶつけようとするのだけれど、アタマの中でまとまらず、うまく言葉になってくれない。
おばさんはまな板に向かったまま、「早くお風呂入っちゃいなさい。今日はカレーよ」とかなんとか言ってる。

混乱したまま僕は二階に上がった。

どういうことだ?
ってか、お袋はどうした?

もう一度、僕は一階に降りてみた。
どうしても、確かめなければならない、いや、もうなんかがおかしい。

恐る恐る台所に入ると、そこにはお袋がまな板に向かっている。

え?

「お袋!、どこに行ってたんだよ!おばさんはどうしたんだよ!」
今度は疑問がすらすらと口をついて出てくる。
お袋は僕の尋常じゃない様子を見て、慌てている。
「なに、どうしたの!。ちょっと座りなさい」

僕は、そこで一昨日の夜からのことを一気にお袋に話した。

するとお袋はこう言った。
「落ち着きなさい。」
「お向かいさんはもういないじゃない。」
「おまえが小さい頃、火事を出して…、幸い誰も死んだりはしてないけど」
「その後、お向かいさんは引っ越して、家も取り壊されて、今は草ぼうぼうの空き地になってるじゃない。」

…そうだった。
僕は慌てて玄関を出た。
やっぱりない。
そりゃそうだ。
お向かいが火事になったのは、僕もよく覚えている。
なんで、僕はお向かいさんの家があって当たり前だと思ってたんだ?
コンクリートの塀はあるけれど、家はない…。

納得のいかない気持ちのまま家の玄関に向かうと、背中から視線を感じた。
お向かいさんの塀。
そのコンクリートの空いているところから、おばさんの目がのぞいていた。






(BGM:山崎まさよし「ふたりでPARISに行こう」from「STEREO」)
→「二人でパーティーに行こう」だと思ったら、タイトル見たらパリだった。
この人の声は一回ハマるとハマるよな。
この曲はアコーディオンとドラムレス(だと思う)でパーカッション、アコギ、ベース、という音数をすごい減らした感じがパリ。
編曲って大事よね。
スポンサーサイト



| ホーム |


 BLOG TOP