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スーパーちんどん・さとう

Author:スーパーちんどん・さとう
ちんどん太鼓担当

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「スーパー猛毒ちんどん山脈・立志編」第12巻冒頭より


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俺なら大丈夫、そんなウソをついてみた。どうせ実らぬ恋ならば、捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ。仇花よ、風花よ、真っ赤に染めた花道で、俺は独り、笑ってる。見てておくれよ、おっかさん。俺あ、男だ、なあ、母さん。そんな言葉を口の中で繰り返していたら、蝶が耳から飛び出していったよ。うるせえなあ、と思っていたんだ。なんだ羽音か。これで耳鳴りともおさらばかと思ったら、姉ちゃん兄ちゃん弟妹の声が騒ぎ出したじゃねか。そういえばいつも膿で黄色くなった眼帯をしていたあの近所の爺はどうしたんだろうな。ホウキで道ばたを掃くのかと思ったら、子どもをまとめて履いてやがった。アレレレ、それは違う爺か。あの爺、近所の池に座って、池から出てくる真っ白な手を見つめてたっけ。何本も何本も出てくるもんだから、こりゃ成仏できねえな、なんてカッカッカって笑ってさ。罰当たりにも程がある。だけどもういいんだ。俺の家の壁にも浮かんできたよ。助けを求める手が三本。どうして奇数なのか、考えても考えても俺にはわからないが、きっとアレだ、一本はホントは足なんじゃねえかって。でもよく見ても手なんだよ。酒を飲んだら消えるかと思ったが、消えやしない。塩でもまけって隣の爺が言うからまいてみたけど、床がざらざらするばっかりで消えやしない。もうダメかもしんねえ。誰かに救って欲しかったなあ。ああ、この手に救ってもらおうか。そうやって見てみると握手したげじゃねえか。そう思ったら、俺の口から「カッカッカ」って笑い声が漏れてさ。こりゃ俺も浮かばれねえやって思ったら、なんか涙が出てきたよ。あの日、俺じゃダメなんだ、俺じゃダメなんだ。何度も何度も心で繰り返してさ。お前をそこから救い出したかったのに。俺にはなにもできなかったよ。それでも必死にお前の手を握ったら、今はきっと違ったのかもしれないなんて、そんなの絵空事。だって俺にゃ運がない。運がないどころか、足もないじゃないか。ああ、俺は死んだのかもしれないな。深い水の底にいるみたいに自分の声がこもってる。いや、でも俺は喋ってないぞ。誰だ俺に話しかけるのは?。あ、そうか妹か。お前はいつも俺の後ろをついて歩って、小汚いスカートはいて、冬でも半袖だったっけ。なんでお前だけそんなに貧乏だったんだっけ?。あれ?お前、妹だったっけ?。ま、もうどうでもいいか。塩で床は真っ白になった。歩くと時々足を取られるんだ。それでもさ、本当はそのドアを開けて外に出たいんだ。だから歩くんだけどさ。でも、時々塩に埋まる。腰まで埋まるんだぜ。いくら塩まいたからって、そりゃねえよな、と思ったら、俺、家にいたんじゃなかった。ここ川。川じゃねえか。川の岸に座ってたよ。埋まったと思ってたのは川でさ。それでもなんか俺は渡れなくて、また戻ってきて、を繰り返している。ああ、そうか、これ、三途の川か。やっぱり成仏できなかったのか俺は。カッカッカ。まあ、どうでもいいか。あの日、トンネルを抜けたら、まずますだった。ただただ泣きたい夜もあるけれど、それでもまたトンネル抜けて、俺の居場所を見つけたかったなあ。はじけて飛んだ、夢のシャボン。格好つけても、だめだよお前。だって、お前にゃ中身がない。中身がないどころか足がない。やっぱり俺は死んだのか。過去を追うな、未来を願うな。未来永劫。未来ヘイ!GO!。ダジャレじゃ誰も納得するもんか。だって、もうやってられねえんだよ。手元にあるのは千円札が2枚と小銭が少し。ああ、何が買えるだろう。お前の心は買えまいか。そんなに安い心じゃねえか。きっとお前の住んでる高層ビルヂングのように、高いんだろうなあ。お前に似た子どもたちと、幸せに暮らしてるって聞いたよ。とてもいい話だな。憧れるぜ、ハイソな暮らし。猫になって飼ってもらおうか。みんなの前で、いつものようにおどけて見せて御座候。みんな笑ってくれて嬉しかろうさ。でもお前さんはそんな俺を見ながらきっと誰かの手を握っているのかと思うと、胸の奥が痛くなっちゃって、おどけるのはもうやめようと思ったんだよ。眠れない眠れない。今お前が誰かに突かれて喜んでいるのかと思うと眠れやしないんだ。医者にもかかったけど、医者はお前の悦楽を止めてはくれない。だからあいつはヤブ医者だ。何一つ治せやしない。幸せそうな家族を狙ってはにらみつけ、ズボンの股間に手を突っ込むと、たいがいみんなイヤな顔をするからさ。楽しくてしょうがない。止められない止まらない。ごめんよ、兄ちゃん。俺はこんな人間になっちまった。あんなに俺のために働いてくれたのに。朝から晩までネジと油にまみれて働いてくれたのに。あの日、兄ちゃんの後をつけたんだよ。気づかれないように、草履は手に持って。マンホールの底で兄ちゃん、何やってたんだ?。壊れてしまった心でも慰めていたのか兄ちゃん。油にまみれてるからって結婚も破談になっちまって兄ちゃん。大学にも行ってたんだからハイソな暮らしができたのになあ兄ちゃん。大学って難しいんだろ兄ちゃん。ごめんな兄ちゃん。ああ、俺はなんてことをしてしまったんだ。後悔先に立たず。立つ鳥跡を濁さずっていうからさ、川の向こうに行こうと思うんだけど、これがなかなか行けなくてさ兄ちゃん。カッカッカ。泣かしたこともある、冷たくしてもなお、寄り添う気持ちなんかこれっぽっちもないんだ。空に跳ね上げたリンゴをアーチェリーの矢で撃とうかと思ったら、隣の婆に当たっちまった。ごめんよ婆。毒林檎売りの婆。お前さんも必死に生きていたのになあ。俺も必死に生きてきたけどな。それでも、やっぱりダメだった。遠く聞こえるお前のの声を何度も思い出してる。夢に見てるお前の声を何度も思い出してる。今でも怯え続けて、逃げるように、お前を思い出してるよ。遠く遠く消えゆく声に、何度もすがりついてるよ。深く深く塩に沈むカラダで、今も泣きわめいているよ。あの日、お前が見えたんだ。眠くって、それでもはしゃいで見せたんだ。そしたらさ、ドアのところにお前が立ってた。すぐに消えたけど。それがお前と会った最後だなあ。あんな大事な日に、お前に会いに行けなかったから、きっとお前の方から来てくれたんだなあ。ありがとよ。忘れねえよ未来永劫。未来ヘイ!GO!。ダジャレじゃ誰も納得するもんか。散らばるトタンや廃材抜けて、見えてきました月の夜。一斗缶に腰を下ろして、こんなところで終わりたくないって思ったけどさ。たどり着けやしないよお前のビルヂング。下着一枚の女がぬいぐるみを抱いて歩って来て、お前はどこのモンだと聞いてくるから、あのビルヂングの者だと言ったら、大笑いして廃バスに入っていった。そんなにおかしいか。そんなにもうダメか。なあお月さんよ、俺はもうそんなにダメか。畜生。畜生。あの日、お前の手を離さなかったら。あの日、「俺は大丈夫」なんてウソをつかなかったら、きっとうまくいったんだろうか。明日は晴れたんだろうか。太陽は昇ったのだろうか。冗談はヨシ子さん。今ならまだ間に合う。俺はまだあの時のまんまだから。って、もう何年も思い続け、俺は大丈夫だよ、なんて嘘をつくんじゃなかったって何年も思い続けていたら、いつの間にかしわしわのお爺ちゃんになっちゃいました、ってのが浦島太郎。どうせ起こらぬ奇跡なら、起こしてみせるぜチンドンビートで。だって、あんたの目の前一人きり、叫んでみたって、伝わらぬ。ああ伝わらぬ。






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(BGM:Novos Barbaros「Lambada De Salvador」from「Lambada」)
→ランバダとはなんだったのか?。
あの曲しか浮かびませんが、まあ、これもランバダらしい。
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