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スーパーちんどん・さとう

Author:スーパーちんどん・さとう
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スーパー猛毒ちんどん「トクちゃん」のアンサーソングを作りたい


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その日、私は小4、兄は小6。
同じ学校、私は4年2組、兄はあおぞら学級。
特殊学級、特学。

キーキー言う子や、とにかく走り回ってる子、なんかずっと独り言言ってる子、指をずっと噛んでる子、10人くらいの生徒がいて。

先生はすごく優しそうで、私はちょっと羨ましくもあったけど。
そう思ってる子は他にもいて。
「あの子たちだけ、いいよね、テストもないし」なんて言うクラスメイトもいた。

私は、兄があおぞら学級にいるって、誰にも言ってなかったけど。
朝は一緒に通学班。
クラスの誰かは小声で言ってた。
「あの子のお兄さん、あおぞら学級なんだよね」



小4のその頃、兄とは仲よかった。
って、そもそもケンカが成り立たない。
いつだって笑ってた兄は、頼りなかったけど、嫌いなんかじゃなかった。

家族で一緒に出かけたね。
遊園地にも行ったっけ。
「お兄ちゃんがどっかに行かないように見ててね」って、母さんは私にいつも言ってたな。

でも、お兄ちゃんはどっかに行っちゃうことなんかなかった。
いつも私の手を握ってた。



小4のその日、私にも密かに好きだった同級生がいた。
きっと初恋だったと思う。
彼はクラスの人気者で、休み時間にはみんなの真ん中でサッカーやってた。

私は美人じゃないし、メガネもかけているし、きっと彼は私のことなんか思ったことないんだろうな。
もしかしたら、名前も知らなかったりして。
同じようにクラスの人気者の彼女とも仲がよかった彼。
「あんな風に話してみたいなあ。」
「あんな風に彼に触ってみたいなあ。」

家に帰ったら、彼のことばかり頭に浮かんで、気づいたらノートに彼の苗字と私の名前を重ねて書いていたりした。
あわてて消しゴムで消した。

小4のその日、ある休み時間に、彼は仲間の間をすり抜けて、私の前にふとやってきた。
私はびっくりして、嬉しかったんだけど。
彼は言ったの。

「お前の兄ちゃんって、あおぞら学級なの?」



小4のその時。
私はなんか、全部が真っ黒になっちゃった。
彼になんて答えたか覚えてない。
でも、別に彼はなにを言うでもなく、また仲間の中に入って馬鹿騒ぎが始まったのは覚えてる。

小4の時、彼と言葉を交わしたのは、それだけ。
それだけ。
「お前の兄ちゃんって、あおぞら学級なの?」
家に帰って、自分の部屋に入ったら、涙がこぼれた。

「お前の兄ちゃんって、あおぞら学級なの?」
そう、あおぞら学級なの。
「お前の兄ちゃんって、あおぞら学級なの?」
そう、あおぞら学級なの。

小5になる春、生理が始まって、私はお兄ちゃんと手をつなぐのをやめた。
お兄ちゃんは寂しそうな顔をしていたけれど、でも、手をつなぐのをやめてくれた。



中学に入って、ウチは貧乏だってことに気づいた。
お母さんはずっと総菜屋さんでパートしてた。
お父さんは放蕩家で、仕事はしていたけど、決まった収入はないんだって。

お兄ちゃんは養護学校に進んで、私は持ち上がって近くの中学に進んだけど。
お母さんは、お兄ちゃんの帰りのスクールバス到着の時間に休憩をもらって、お兄ちゃんを連れて帰って、そのまま総菜屋に戻った。
なるべく早く家に帰った方がイイんだろうな、って私は思ったけど、お母さんは「総菜屋さんも近いし、みんなわかってくれてるから大丈夫」って言ってた。

時々、友だちに誘われてカラオケに出かけるけれど、心はどっか半分家にいた。
私の中学時代は、きっと暗い子だったろうな。

クラス替えで友だちがふえるたび、「家に来たい」ってクラスメイトはいた。
でも、私は断った。
「どうしてもダメなの」
「う~ん、なんでって、なんででもダメ」

「お前の兄ちゃんって、あおぞら学級なの?」
そう、あおぞら学級なの。
「お前の兄ちゃんって、あおぞら学級なの?」
そう、あおぞら学級なの。



高校生になって、こんな私でも好きだと言ってくれる人が登場した。
好きなアニメの話がはずんだ。
好きな小説の話がはずんだ。

運動会の振替休日の日に彼の家にも一度行った。
清らかなお付き合い。
アニメの話をして、彼の家の近くのコンビニで買ったコーラを飲んだ。
時間がこのまま止まればいいのに、って思った。
4時にならないで、って。
4時になったらお兄ちゃん帰ってくるから。
そしたら、気持ちが半分、家に行っちゃう。
時よ行かないで。

ごめん。
お兄ちゃんのこと、言えなかった。
ごめん。
お兄ちゃんのこと、また、言えなかった。

なんかその人も、お兄ちゃんも、お母さんも裏切ってる気がして、毎晩、布団に入ると涙が止まらなかった。
彼と話してる時は、あんなに嬉しいのに、夜になると寂しくてたまらなくなった。

彼とはなんとなく自然消滅した。

「お前の兄ちゃんって、あおぞら学級なの?」
そう、あおぞら学級なの。
「お前の兄ちゃんって、あおぞら学級なの?」
そう、あおぞら学級なの。



私は高校を出て近くの工場に就職した。
お兄ちゃんは、養護学校を出て近くの作業所に通ってた。
帰る時間は、養護学校の時より早くなった。

お母さんが倒れたのはその頃。
入院したお母さんを見て、涙が止まらなかった。
明日からどうしたらいいの。
お兄ちゃんは神妙な顔をしていたけれど、明日からの不安なんてどこにもなかった。

お兄ちゃん、明日からどうやって送迎バスのトコまで行くのよ。
お兄ちゃん、明日からどうやって送迎バス降りて帰ってくるのよ。

お母さん、助けて!
お母さん、助けて!

「お前の兄ちゃんって、あおぞら学級なの?」
そう、あおぞら学級なの。
「お前の兄ちゃんって、あおぞら学級なの?」
そう、あおぞら学級なの。



そして二ヶ月後のある朝、私は起きれなかった。
身体が動かなかった。

お兄ちゃんは送迎バスに行きたかったみたいだけど、その日は休むってなんとかかんとか電話はした。
私も仕事を休んだ。

そしたら、涙がこぼれて止まらなくなった。

ごめんなさい。
お兄ちゃん、お母さん。
ごめんなさい。

何度も何度も、涙を流しながら私は言ってた。



今になって思えば、誰かに助けてもらえばよかった。
助けてって、誰かに言えばよかった。

小4の時のあの彼にだって。
家に来たいって言ったあの子にだって。
高校の時のあの彼にだって。
就職して、私が長く休んで心配してくれたあの人にだって。

時間は戻らない。
私も戻らない。
お母さんももう戻らない。

お兄ちゃんだけが、いつも笑ってる。


「お前の兄ちゃんって、あおぞら学級なの?」
そう、あおぞら学級なの。
「お前の兄ちゃんって、あおぞら学級なの?」
そう、あおぞら学級なの。








(BGM:緑黄色社会「大人ごっこ」fromYOUTUBE)
→バンド名で誘われるわけですけど、まあ、歌詞も含めて普通のアレでした。
ま、歌が上手いです。
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