FC2ブログ

プロフィール

スーパーちんどん・さとう

Author:スーパーちんどん・さとう
ちんどん太鼓担当

@SMChingDongSATO twitter

Calendar 1.1

<
>
- - - - - - -
- - - - 1 23
4 5 6 7 8 910
11 12 13 14 15 1617
18 19 20 21 22 2324
25 26 27 28 29 3031
- - - - - - -

全記事

Designed by 石津 花

カテゴリ

最新記事

最新コメント

リンク

検索フォーム

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

最新トラックバック

QRコード

QR

研究男の憂鬱


【スーパー猛毒ちんどん動画】
スーパー猛毒チャンネル  ★  YOUTUBE
知的生涯PV  ★  知的生涯ライブ動画他

【リンク】
スーパー猛毒ちんどんフェイスブック  ★  虹の会本部HP
虹魂的障害者自立生活  ★  虹の会本体ブログ
ミツのホッサ日記PLUS  ★  ツイキャス!!

虹の会では、専従職員を募集しています。社保完。詳しくはこちら


専従募集


(創作です念為)


彼は東京の裕福な一軒家が建ち並ぶ町の、駅から歩いて5分くらいのトコロにすんでいた。
三階建ての、ガレージ付きの一軒家。
車は赤のアウディだそうだ。
奥さんはウェブデザイナーをしていて、時折出社するが、基本は家で仕事をしている。
彼自身は、都内一等地で会社を経営している。
輸入を手がける会社で、社員は彼と三人の仲のいい友人たち
経営は上々。
日曜には社員の家族と一緒にBBQなんかもするらしい。

二人の子どもは小学生だが、そこに通ってくる子たちの親も同じような境遇だという。
IT企業、官庁勤め、証券会社社員、などなど、まあ一言で言えば勝ち組だ。
そして、彼らはそれを甘受し、特に社会に不満もなければ、不安もないように見える。

僕は、そんな彼とはある地方都市の高校で同級生だった。
彼の親は銀行員で転勤族だった。
僕はの親は地元の工場を経営していて。
経営といっても、お袋が事務会計をやっていたような、多い時で工員が三人いるくらいの小さな工場だ。

そんな僕と彼が再び出会ったのは、僕の地元で行われた同窓会だ。
といっても、そんなに人数は集まらなかった。
二次会、三次会、と宴は進み、最後は地元でスナックを経営する女の子の店だった。
そこに残ったのは、酔っ払ってしまった男女と僕と彼、そして、いまだ大学院で研究に没頭する男、というメンバーだった。

いまだ研究にいそしむ男に、彼はとても興味津々にいろいろとたずねていた。
彼にしてみたら、そういう生き方にとても憧れている風であった。
どうしてそんな風に一つのことに没頭できるのか、などの質問に、研究男は気持ちよく答えていた。
アッパーな勝ち組と研究に没頭するヲタク男、まあ普段は交わることない感じの二人と言えよう。
これも同窓会のイイところだな、とか、僕は思っていた。

風向きが変わったのは、研究男が「今気になっていること」、という彼の質問に答え始めたあたりだった。
研究男は、一年前に起きた大震災のこと、特にその震災で壊れた原発からもたらされた放射能について、とても興味がある、と話し始めた。

確かに、あの震災の後、一年経ったが、いまだに人が踏み込めない地域が広く存在し、そこを空撮した映像を見たが、雑草がぼうぼうに生えて、放置された車を飲み込んでいた。
除染と言われる作業によってはぎ取られた表土は、大きな黒いバックに詰められて広い土地に重ねられている。

それらの写真を見て、僕は「死の土地だな」、と思った記憶がある。

研究男は、そんな話を一通りして、いまだに人が入れない場所があって、しかし、政府は帰還をすすめているのはおかしい、と言った。
すぐその隣に巨大な黒いバックが山積みされているのに、そんな場所に人が住めるわけがない、と。
しかも、この地域は山もあり、森林は除染などできないんだから、山から放射性物質は降り続ける、と。
いろいろとデーターを集めてみると、即死とは言わないが、長い目で見ると子どもには多大な影響があろう、と。

すると、それにはまったく興味がなさそうに彼は言った。
「だって、でも政府は安全だって言ってるんでしょ?大丈夫でしょ?」

これに、研究男は口をあんぐりとさせた。
が、気を取り直したように、話を進めた。
震災があった場所は海産物の宝庫でもあった。
日本各地でその海産物は親しまれていた。
しかし、食物連鎖から考えると、その海産物も注意すべきかもしれない、と研究男は続けると、また彼が口を挟んだ。

「考えすぎだよ。だって、政府は安全宣言してるんでしょ?心配しすぎだって」

つまり話がどうにも噛み合わない。
研究男は、政府の安全宣言は正しくないんじゃないか?と科学的見地から話をしているのに、彼は「安全宣言したんだから大丈夫」と言っている。
簡単に言うと、彼は政府のいうことを鵜呑みにしていて、鵜呑みにできない研究男とは、そもそも話が噛み合わないのだ。

研究男もメートルは上がっていたが、逆に彼のその「鵜呑みにする彼」に興味が湧いたようで、静かに、違う話を始めた。
ここまで研究男に興味津々だった彼は、今度は研究男の研究の対象になったかっこうだ。

研究男は、先日あった財務大臣の汚職について触れた。
悪質な汚職で、実際に金を受け取っている音声まで公開されたのに、不起訴になった事件だ。
しかも、その大臣は健康上の理由とかで国会での弁明から逃げた。
不起訴になったのも、どうも政府のトップの息がかかっていたのではないか?と週刊誌には書かれていた。

すると、彼は言った。
「だって、不起訴なんでしょ?あの大臣、悪くないんじゃないの?」

研究男はますます研究心を煽られたようで、にこやかに話を続けた。
その話は、ちょっと前に話題になった、官僚による公文書改竄問題だった。
その件では、文書改竄を具体的に手がけた末端の官僚が、自責の念に駆られ自殺までしていた。

すると彼はまたこともなげに言った。
「え?そうなの?自殺した人がいたんだ…。そんなに気にすることないのに…。だって、やれって言われただけなんでしょ?その人悪くないじゃんね」
「それに、文書なんて、多かれ少なかれ改竄されてるんじゃないの?」

なぜ文書が改竄されたか、彼は知らなかったし、改竄の首謀者だった上司は、その後退職したが、数千万という退職金まで受け取っていることも知らなかった。

それでも、それを知りたいとも彼は思っていないようだった。
「へえ~」と言うだけで、興味はなさそうだった。
貧困の問題、例えば子ども食堂の問題も、彼は「助け合うのはイイコトだよね」などと言っていた。

結局、彼は勝ち組ではあるけど、世の中のことはなにも知らないし、そもそも興味がないのだ。
興味がないから、そもそもなにも調べないし、考える事もしない。

研究男はそのことがわかって、しかもあまりにそれが大人の態度としていかがなモノか、と呆れたようだった。

その辺で、同窓生のママに促されて同窓会はお開きになった。
ママにはそもそもなにを話しているのかもよくわかってないようで、手持ちぶさただったのは僕も気になっていたのだけれど。

帰り際、ホテルに泊まるという彼を見送って、研究男は僕に言った。
「ま、ああいうのが日本の真ん中にいるんだから。そりゃ、日本がどんどん反知性主義に覆われるはずだよな。」
「彼らは、自分が勝ってる認識すらないんだ。みんな自分と同じだと思ってる。だから、貧困層のことも想像できないんだ。」
「五年後の日本のことも、なにも想像できないんだろう。」

「そりゃそうだよな。知性が欠けてるんだから。」

「でも、あいつらが今の日本の真ん中なんだ。困ったモンだよな」

そう言って、研究男は冷ややかに笑った。
僕は日本の未来が急に不安になってきた。





19mochituki小

hikouki2中shou

(BGM:幻覚マイム「Done Dance」from「NG LIVE」)
→トランスレコード。
いやあ、当時こういうの流行ってたよね。
その後、ビジュアル系とかに受け継がれてると思う。
スポンサーサイト

<< 三流会社がガス爆発でなくなってる、という「リアル」 | ホーム | 8位でいいじゃん… >>


コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 BLOG TOP