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スーパーちんどん・さとう

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形見 (創作)


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kaijosha.jpg



(創作です念為)


「あの映画監督のところでちょっと働いていたことがあったんですよ」
え~、あの賞を取った監督?
「そうなんですよ、まだ有名じゃなかったけど、やっぱ小道具とかにはすごく気を遣う人でしたね」

「あの画家さんと知り合いなんですよ」
すごいね、有名な人じゃない。
「何回かアトリエにもお邪魔したことがあって…」

彼女は、わかりやすい嘘をいつもついていた。
その独特な風貌、ちょっと服も周りから浮く感じの「普通の人じゃない感」を醸し出していた彼女の話は、それでも最初はみんな興味津々に聞いていたが、それが毎日のように続く中で、だんだん「またかよ…」という雰囲気が支配するようになった。
それでも仕事は進んだし、話をへえへえ聞いていればいいじゃん、という感じが彼女をのまわりを支配し始めていた。
嘘だ、と突っ込むのは大人としてどうか、ってのもあって、決定的な出来事は起こらなかったが、今になって考えてみると、それが彼女を追い込んだのかもしれない。

だんだんみんなが驚かなくなるに従って、彼女の嘘もエスカレートしていくのはみんな感じていた。
このままでは、「マイケルジャクソンと友達」、といいかねないな、と誰もが思っていたけれど、まともに取り合うのもめんどくさい。

そんなある日、彼女は盛大に吐いた。
デスクにだ。
周りは驚いたし、彼女の体調を気遣った。
彼女をソファに横にならせ、吐瀉物を片付けた。
「ちょっと寝てれば大丈夫だと思います。すいません本当に」という彼女でしたが、その日は早く帰って寝た方がいいという皆のアドバイスを受けて、彼女はそのまま帰った。

どうしちゃったんだろう。
みんな不安になったけれど、まあ彼女の言うように明日にはけろっとしているのかもしれない。
突然のことに戸惑ったが、まあみな仕事を終え、その日は帰った。

翌日、彼女はちょっと遅れてやってきて、「どうも私妊娠したみたいです」と言った。

おめでとう、とみんなは言った。
昨日の出来事が吹っ飛ぶような話だったけれど、どうも「相手が誰なのか」を彼女は言わない。
そういえば、そういう「彼氏」的な話を彼女から聞いたことはなかったなあ、と思ったけれど、でもそこで「相手は誰なの?」というのはちょっと聞きにくい。
結婚は?というのもちょっと野暮な感じがして、それはみんなも同じだったようで、誰もそれには触れない、ただ「おめでとう」を彼女に送った。

その後、彼女は休みがちになった。
きっとお産がきついのかな、と話していたが、時たま顔を出すと、その顔が妙にこけているのに気づいた。
新しい命を生み出す力が出るんだろうか?
そんなにきついのかな、と思っていたけれど、ある日、連絡なしに休んだのが二日続いて、なんか家を見に行った方がいいんじゃないか、という話が出た頃、彼女の母親という人から連絡があった。

「彼女、死んじゃったって」
電話に出た女の子がそういった。

え?
どういうこと?
なに?

所長が改めて控えてあった実家に電話をかけると、彼女の母親は平謝りだったそうで、ご迷惑をかけて、と繰り返す。
状況が飲み込めない所長が、「おなかの子は…」と遠慮気味に聞くと、母親なる人物はこういった。

「またそんなウソを…あの子は…もうしわけありません…」

狐につままれたような顔をしている所長の話を聞いて、そうか、妊娠というのはウソだったのか、何か別の病気?だったのか…、と思ったが、所長も死因は聞けなかったという。

二三日は仕事も手につかない感じだったが、そのうち彼女なしの事務所で仕事を回すようになり、彼女の荷物を片付けよう、ということになった。
新たに人も募集しなければならない、そのためには整理もしなければならない。
まあ気は進まないが、母親もこっちで片付けてくれと言うし、仕事と割り切って手の空いた人で整理を進めることになった。

なんということはない。
デスクの上には書類、机の中にも筆記具やメモ、特に仕事上必要とするモノはなかったし、私物というのも、ペン類くらいで、整理ははかどった。

そんな整理の最中、ロッカールームから女性の社員が血相を変えて抱えてきたのが「こけし」だった。

一抱えもある。

彼女のロッカーに入っていたという。

え?
どうして?
なにこれ?

こんな大きなモノを持ち込んだら気がつきそうなもんだが、そういうそぶりはなかったし、どっかのお土産とかそういう感じでもない。
そのこけしは、作りはいいようだが、うす汚れていて、古いものであることがうかがわれた。

黙り込んだ事務所だったが、所長が、「明日燃えないゴミの日だから、出しちゃおう」と言い出した。

そうだよな、別にもう彼女の持ち物はゴミにしちゃってるわけだし…。
こんなに大きければ燃えるゴミというわけにも…。
かといって、寺に持って行くとか、祈祷してもらうとかはなんか逆に怖い…。

ただ、彼女はここに置いていただけだ。
だから、捨ててもいいんだ、という風に、

考えたかった。


結局、所長の意見に異議を唱える人もいず、こけしは会社の入り口のゴミ置き場に置かれた。
明日になれば、回収車が回収してくれるだろう…。


翌朝、会社に行くと、みんな真っ青な顔をしていた。
どうしたんですか?と聞くと、ゴミ置き場を見ろという。

こけしに、誰が貼ったのか、どこのものだからわからないお札が貼ってあった。

事務所の誰も貼った覚えはないという。





(BGM:ガガガSP「フラレ男の哀しい歌」from「声に出すと赤っ恥」)
→もうストレートなタイトルであることがガガガらしい。
これ、タイトルだけでけっこう「ケッ」って思うかもしれないけど、サビもタイトルまんまなんだけど、3分弱の曲の中で繰り返されるとちょっとグッときちゃうところもある。
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