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スーパーちんどん・さとう

Author:スーパーちんどん・さとう
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ガッカリの先に


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ガッカリさせられること、ってのはよくあります。
ここで書いたりするのはたいがい「うまくいったこと」であって、それは十に一つ、いや百に一つといっていいかと思います。

たいがいは「うまくいかない」。
けど、うまくいくために、うまくいかないことも数打つ。
その中で何が当たるかわからないから、まあ我々はガッカリしながら次々と手を打っていく。

オグラは、まず「自分から主張する」ということができない。
例えばホンビイで飲み会をするとする。
そうすると、グラスを持って立ち尽くす。
他の井上やイチマル、カイだって「入れて下さい!」って要求する。
カイの場合は、「う!」とグラスを指す。

あ、ホンビイや事務所で飲む場合、ビールとか日本酒とか以外は、たいがいは焼酎だったりを何かで割るんだけど、それは専従の誰かに頼む、という不文律があります。
その時に、まずグラスに氷をたくさん入れて、それを「お酒ゾーン」(というのがたいがい作られる)に持ってきて、「お酒作ってください」って頼む。
で、作ってもらう、という流れ。
作る方はと言えば、まあ正直な話、その人によってかなり酒の割合を変えたりもしています。
みんな同じというわけではないのね。
その辺、まあアレです、上手い具合に成り立っている。

けど、オグラはそれが言えない。
言えないなんてバカなことあるか、と思うだろうが、スイッチが入ると途端に言えない。
「お前突っ立てるだけ?じゃあ立ってれば?」ということになる。
そう言われて始めて、機を得たりとばかりに「違います!お酒入れてください」と笑顔で頼んでくる、というのがたいがいの流れである。

つまり、かなりめんどくさいんである。

彼は生徒会長までつとめ、かなり先生からの信頼も厚く、実はオレのブレインの三原がヒラ教員の時代に学年は違ったがオグラが生徒会長だったそうで、それはかなりできる方だったとのことだった。
だから、言えないはずはない。
状況を見て判断できないわけではないし、周りはそもそもみんなそうやってワイワイ始まっている。
けれども、十数年に及ぶ入所施設の影響なのか何なのか、結局廃人同様歩けもしないでここに来ることになって、まあ今はマラソンもそこそこやれるし復活してきたが、どうしても「言えない」のである。

それと、まあ事務所で呑むとなると用意をしなければならない。
ウチのみなさんは、コバなんかは「なんかやることないですか?」とか、井上なんかはふざけて「やることなぁい?」なんて聞いて、座って待つ、ということはない。
これもなぜか最初の頃からそういうことになっている。
そうじゃないことはない。
ただ座ってお母さんが作るモノを待ってるよりはずっといい。
だって、自分たちが楽しむ飲み会なのだから、準備だってしなきゃ、ってまあ彼らは自然に思ってるんだと思う。

けど、そこにも参加ができない。

先日、ホンビイで行われたとある飲み会で、どうしても彼は参加できなかった。
もっと言うと、椅子を持ってきて座る、ということもできなかった。
あ、ウチは、仲間ウチじゃないお客さんにはパイプ椅子は出すが、自分の椅子は自分でパイプ椅子置き場から自分の分だけ持ってきて座る、というルールになっているんですね。
ま、時にイチマルなんかが「佐藤さん椅子いりますか?」なんておべっか的に言ってくるのでそれはそれで腹が立ったりもするのだが、まあそういうルールになっている。

だから、ボーッと何も言えないと、そのまま立ち尽くすことになるのである。
と思ったら、勝手になにも言わず家に帰ってしまった。
しかも携帯も持たず。
ああ、言ってやるタイミングを逃してかわいそうなことをしたな、と思ったが、一方で「毎回毎回まったく!」と思うところもあった。
で、ノブに「帰るなら帰っていいが、帰りますと行ってから帰れ。いいに来い」と言ってくれと頼んで迎えに行ってもらい、オグラは戻ってきた。

で、ホンビイの別の部屋に連れて行って話をした。
「勝手に帰ったらだめじゃん。帰りますってみんなに言ってこいよ」とまず言うと、「イヤです!帰りたくない!参加したいです!」とけっこう必死に言ってきた。
こういう場面ででけっこうブラックオグラだと「はい」とか言いそうなんでかなり俺としてはこのセリフはチャレンジだったのだが、まあかなりこの日は素直であった。

「おまえさ、参加したくないの?」
「参加したいです」
「座ればいいじゃない?座るところがないの?だったら、入れてくださいって、詰めてください、っていえばいいでしょうに」
「言えばよかったです」
まあ、こう言った会話から始まったんだけど、たいがいオグラというのはブラックになるというか、こういう単純なことすら「そういうわけじゃない」とか小難しいことを言い出したり、黙り込んだりする。
そうなるともうめんどくさいのでほっとくしかなくなるのだが、この日は違って、とにかく「前向き感」がすごい。

「最初から椅子を持ってくればよかった」と泣き出す。
「お前さ、施設で何でもかんでも用意されてさ、みんな平等、みたいにされてきたかもしれないけど、自分で楽しく飲みたいなら自分で言わなきゃ世の中は仲間に入れてくれないよ?まだ施設の気分なの?」
「違います!戻りたくない!」とまた泣き出す。
これはこの際だから思いっきり泣かそうと思って、「ノブが迎えに行ってくれたんだろ?ありがたいな」というと、「ありがたいです」と思い通りまた泣く。
「みんな心配したんだぞ」と言うと、また泣く。

さて、この辺でいいかと、「よしわかった。じゃあ、まずみなさん聞いてください!さっきはみなさんは心配かけました、ってみんなに言えばみんなも「入れよ入れよ」って言ってくれると思うぞ、大きな声で言ってみな」と解決策を提示した。
そこで躊躇するオグラ。
「ほら、そこのドアから大きな声で言えばいいんだよ」
「大きな声出せるかな…」と自信が一気に失われた感じに。
ここで「言えない自分」に負けて引っ込めてしまってまたバッドな状況に陥ってしまいがちなのがオグラの底なしのところ。
まあ、ここまで話をしたし、前向きだったし、最終的には俺が助けてやるしかないな、と段取りを心の中で決め、「じゃあ、まあ練習してみよう」と。
すると、「みなさん、聞いてください!さっきはみなさん心配かけました」と小さな声で言う。
セリフはわかっているし、というか、そもそも言わなきゃならない内容を彼はわかっている。
「もっと大きな声出せないか?」
「出せるかな…」と、けっこう見たことのない真剣に「悩む表情」をオグラは見せた。
けっこう「俺はもう無理」とさじを投げて笑うかブラックに陥って自分を誤魔化すか、という二択が多いのだけれど、この日はなんかかなり真剣に悩んでいた。
「できるよ。やってみればいい、そこのドアから言ってみろ」と。
「みなさん…」
「小さいよ。み!だけでもいいから大きい声出してみろ。そしたら言える!」
ここで引き下がったら、この楽しい飲み会に参加できない。
俺は参加したい!。
その気持ちが彼を奮い立たせるだろうと俺は信じて、オグラを無理矢理ドアの前に立たせた。

すると、「みなさん!聞いてください!」とオグラが大きな声で言った。

ワイワイしている中である。
小さい声だとそもそも聞こえない。
みんなが聞いてくれない。
ま、そうなるだろうと踏んで、その場合は一度戻してもう一回、それでダメなら俺が「みんな聞いてやってくれ」と言うつもりだった。
というか、9割そうなるだろうと思っていた。

のに、オグラの一声でみんなが振り返った。
一発でいけると思わなかっただけに、恥ずかしながら、俺は涙が出てしまった。
できるじゃねえか!馬鹿たれが!と涙が出た。

その後、まあもうみんなが聞いてくれる体制に入ればこっちのもんである。
きちんとオグラは打ち合わせ通りに話し、みんなの輪の中に入った。
その嬉しそうな顔と言ったらなかった。

こういう「アタリ」があるから、まあガッカリが続いてもやれるのかもしれない。





(BGM:Amii Stewart「Knock On Wood」from「Knock On Wood: The Best Of Amii Stewart」)
→いろいろな人がカバーしてるんだな。
これはディスコ調カバーといったらいいのかしら。
ディスコ調、カッコいいと思います、はい。

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